3月前期
『インセント・ゲリラの祝祭(下)』・『彼女はもういない』
『螺鈿迷宮』・『妖怪(下)』
『イノセント・ゲリラの祝祭(下)』
海堂尊 宝島社
読始3/3 読了3/4
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AI、すなわち画像診断処理を死体検案に利用しようという流れを作るためにひねくれ彦根は策を練る。
厚生省のアホらしい名前の検討会で思い切りぶちかます。
多分、作者が医者をやってて思うことを官僚にぶちまけるような。
一方的で行きすぎな面もあるかもしれないが、まぁ大方のところは間違っていないのだろう。
国が滅びることはあっても医療が滅びることは無い。
日本ヤバイ、ってことだ。
『彼女はもういない』
西澤保彦 幻冬舎
読始3/5 読了3/7
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最近はなんと言うか、西澤保彦の本を手に取るときはワクワクしない。
暗い話だったらイヤだなぁと思いながら、手に取っている(爆)
そこまでして読む必要は無いような気もするが、とりあえず今回もドロドロと暗く煮凝った、サイコサスペンスってとこかな。
なんかのテレビで見たけど、犯人がわからない話がミステリで犯人がわかっている状態で話が進むのがサスペンスらしい。
だからこれはサスペンス。
でもなぜ殺したか、というホワイダニットの視点からするとまぁ、ミステリにもなれるかな。
いろいろと屈折した思いが心を埋め尽くしている男が、変なキッカケで人殺しを始める。
その辺がサイコだね。そして犯人がわかってるからサンペンスだね。
とにかく、犯人の気持ちにミリも移入できないわけで、フーン、以上の感想が出ない。
『螺鈿迷宮』
海堂尊 角川書店
読始3/8 読了3/11
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桜宮の物語だけど、田口先生の愚痴外来物語ではない。
もう一つの病院、碧翠院/桜宮病院で起きる事件。
いつものように、医療周りの法整備の不備と、将来のための予算を全く回そうとしない厚生省などへの怒りを、熱く面白い物語に仕込むという。
いい意味で『いつもの』って感じの医療の闇話。
『妖怪(下)』
司馬遼太郎 講談社文庫
読始3/12 読了3/15
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あとがき解説ではリアルな時代物でありファンタジーでもあると高く評価しているが。
拙者的にはダメだった。
とりあえず主題が何なのかわからない。何を読ませたかったのかわからない。
将軍になりあがろうとする源四郎が主人公だとは思うんだけど、コイツは何も出来ないまま唐天子に操られるばかり。
修行して操られなくなったかな、と思ってもまた心の隙を突かれて操られる。
じゃあ妖怪っぽい唐天子が主役なのかというとそんなことはなく。
日野富子でもないし、お今の方でもなく、室町という時代でもない。
どこを見たら面白いのか分からないまま話は終わる。応仁の乱はもうそこまで来ていた、って感じで。
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