12月後期

『中原の虹,2』『狼と香辛料W』『電波女と青春男,8』
『さいとう市立さいとう高校野球部』『貴族探偵対女探偵』『三国志,9』



『中原の虹 第二巻』
浅田次郎 講談社


読始12/17 読了12/20

コメント・・・
まだ前半戦なのに涙がこみ上げて困る。
主筋は清国の没落なんだけど、それにまつわる家族の物語と言いたい。
悲しい家族、切ない家族、辛い家族、涙を流す家族。
実の親子ではないが、西太后と光緒帝の絆などたまらない。
なんとなく西太后には悪女のイメージがあったが、この本の西太后に触れたら、もう嫌うことなどできやしない。
夫と息子という二代に渡る無能な皇帝に代わって、腐れ落ちる寸前の清を支えてきた鉄の女。
人殺しの機械を作る文明など信じずに、たゆみなく、ゆっくりと、詩文を作り花をで、お茶を淹れおいしい料理をこしらえ、歌い、舞い踊ることが文化だと信じて疑わぬ、中華の国よ。
今現在の中華人民共和国こそ西太后が見たらヘドを吐きそうな国となっているようだが。
そんな彼女もとうとう老いに負ける。
最後に指名した皇帝こそ、ラストエンペラー溥儀である。
三巻に続く。




『狼と香辛料W』
支倉凍砂 電撃文庫


読始12/21 読了12/

コメント・・・
ホロの故郷の情報があると言われてきた町はなんとなくおかしな町だった。
そして訪れた教会では次の目的地への情報は示されず、さてどうするか。
知らないって言ってるけどあからさまに怪しいんだよなぁ、とか思って色々動いていたらやっかいな事件に巻き込まれてしまった。
一体、どんな商人力でこの難局を乗り越えるのか。




『電波女と青春男,8』
入間人間 電撃文庫


読始12/23 読了12/24

コメント・・・
そこにあったからイキオイで借りてきた・・・
とか言ってたらコレが最終巻であった。妄想変の次がいきなり最終ですかい。
藤和家に突然現れた謎のミニスマキン。
丹羽真はスマキ世話係としてそんなエリオの妹のような何者かの相手をしなくてはならないのであった。
そしてエリオ、リュウシ、前川さんという美少女に囲まれながら青春ポイントを稼ぎたいなぁなどということを考えるのであった。
うん、もう始まる前から完了してるね。




『さいとう市立さいとう高校野球部』
あさのあつこ 講談社


読始12/24 読了12/26

コメント・・・
中学時代に野球にウンザリして、正確には監督と人間関係に、だが。
ダラダラと行く道の決まらなかった山田勇作の前に現れた、野球部監督の鈴ちゃん。
そして中学時代の野球仲間に誘われて不思議な野球部に引きずり込まれる。
そんな物語を温泉大好き山田勇作が訥々と語る物語。
まぁ作者が作者だけに、やや女子向けのストーリーかなぁ。
別に内容が腐っているとかじゃなくて、戦闘的でないというか・・・まぁ女子だなぁという空気があるんだよ。




『貴族探偵対女探偵』
麻耶雄嵩 集英社


読始12/27 読了12/30

コメント・・・
本のケツを見て、そしてネットで調べてアチャーな気分になった。
多分、前作と思われる『貴族探偵』という本があったんだな・・・
そんな彼が師匠を亡くし、独立した新人女探偵のいるところに偶然ふらふらと現れる。
そして推理対決。というか・・・
まぁ気楽に笑い飛ばすつもりで読むのが良いか。
うん。麻耶雄嵩だから暗くて鬱々した話かと思ったらそんなことはなかった。




『三国志 九の巻 軍市の星』
北方謙三 時代小説文庫


読始12/30 読了1/1

コメント・・・
終了もだんだんと近づき、メインキャラが老けてゆく。
寿命を感じてあせり始める人々。
ひげが白くなった関羽かぁ・・・
そして呉の動きが少しずつ、関羽を包囲していくのだがそれにはまだ気付かない模様。
むしろ関羽に倒れて欲しい曹操が、あの真っ直ぐな武人を策略で下すのはいかがなものかとモヤモヤする。
三兄弟でありながら荊州を抑えるために一人で何年も居たんだからなぁ。
劉備と再会することもならなかったか・・・
無念である。




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