12月後期

『日暮旅人の失くし物』『0能者ミナト,2』『侠飯』
『マルドゥック・アノニマス,1』『悪魔を憐れむ』『書楼弔堂炎昼』



『探偵・日暮旅人の失くし物』
山口幸三郎 メディアワークス文庫


読始12/17 読了12/18

コメント・・・
4つの短編。
五感のうち視覚しか持っていない探偵の日暮旅人。
隠し味を探したり親子の愛を探したり。
そんななか、彼の過去話とひそかに燃え続ける復讐の心が見える。
やさしさだけではなくなった、こっそりダークな探偵物語。




『0能者ミナト<2>』
葉山透 メディアワークス文庫


読始12/19 読了12/20

コメント・・・
今度の怪異はみなごろし
かつて村を壊滅させたとか、そして現在、祓いに行った坊さんたちが全滅した。
一体何があったのか。
通り名のとおり霊力を持たないミナトが犯人の招待を科学的、状況的に分析する。
いや、怪異は怪異だからね。
能力を論理的に分析して対応するのね。




『侠飯』
福澤徹三 文春文庫


読始12/20 読了12/22

コメント・・・
ヤングマガジン連載中のマンガ版は読んでいたけど、原作があるとは知らなかった。
もうすでに原作は原案であってオリジナルになっているようだが・・・
ヤクザの銃撃戦に巻き込まれたFランク大学四年生にして就職活動絶望中の若水良太は一方のヤクザ二人組に助けられ、部屋に住み着かれる。
顔に傷の男、柳刃竜一はコワモテに似合わない料理マニアだった。
良太の残念な就活と柳刃の一手間かけることで格段に美味しくなる料理の数々。
不思議でおいしい共同生活物語コメディ。
・・・
タイトルはおとこめしって読むんだけど、ヤクザをかくまうことで共犯、と引っ掛けたネーミングなのかな、とふと思った。
考え過ぎか。
おとこって入力しても侠の字が出ないせいでござるー。




『マルドゥック・アノニマス,1』
冲方丁 ハヤカワ文庫JA


読始12/22 読了12/25

コメント・・・
今回の主役はどうやらネズミのウフコックのようだ。
が、出だしからイヤな予感。
強敵が登場してイースターオフィスのメンバーが次々と死にそうな予感。ヤバイ。安心感が無い。
というか、ウフコックに至ってはあとがきでネズミがいかに生きてそして死んだか、なんて書いてある。
これが叙述トリック的な、ただ引退する/あるいは能力・知能を失うことを死ぬと表現するのか、わからないが。
そして、マルドゥックシティで始まる、謎の能力者対抗戦。
五つの悪徳で点を稼がないとメンテナンスしない=死ぬぞ、と脅して。
そしてその争いにあえて飛び込み、シティの闇を暴こうとして、そしてイースター社に暴いてもらおうとして、弁護士のサムは命を賭ける。
サムの暗黒リストを完成させるためウフコックは何も手を出さない、ただ事件を見つめて記録するだけの機械作業を始める。
何もしない、は楽じゃないのだ。




『悪魔を憐れむ』
西澤保彦 幻冬舎


読始12/25 読了12/28

コメント・・・
匠千暁シリーズ。
卒業してフリーターのタックと東京に出て就職したタカチと卒業しなくちゃならんと必死になったボアン先輩と院生のウサコ。
まぁ、タック以外はそれほど出てこないわけだが・・・
相変わらず脳内推理を展開するだけ。
そしてキャラクターは少しずつ成長していく。
あとがきによると時間軸が飛び回ったせいで整合性が取れなくなってきたようだが。
何度も読み返さない拙者には、その辺の心配は要らないなぁ(笑)
むしろメインキャラ4人を把握できてるだけでも良し。
ただ、タカチがやたらと佐伯刑事に感謝している感じなのが何なのか思い出せない。
物理的世話ではなく、なにか心の重みを取り除いてもらったような感じだが・・・




『書楼弔堂 炎昼』
京極夏彦 集英社


読始12/28 読了1/5

コメント・・・
比較的気に入っていた前作に引き続き、それなりに満足な弔堂シリーズ二巻。
最近ボチボチ見かけることが増えてきたかもしれない小説小説のようなものであり、ちょっと角度が違うかなとも思うわけで。
弔堂はその人にズバリと合った一冊をお届けする本屋。
歴史的、あるいは文学的有名人が店を訪れ、ズバピタな一冊によって悩みを解決させたりさせなかったり。
有名人もなかなか本名をあらわさず、わかる人にはわかるという形で書き進めるのが憎い。
あぁ、この人はあの人だったのか、と驚こう。





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