3月後期
『海の底』・『ブレイズメス1990』
『空飛ぶ広報室』・『スリジエセンター1991』
『海の底』
有川浩 角川文庫
読始3/18 読了3/21
コメント・・・
大人ファンタジーとか自衛隊三部作とか分類される作品の第三作。
それぞれ独立してるから順番はどうでもいいのだが、二作目の空の中をまだ読んでいないのが自分的には不満。
それはともかく横須賀米軍基地で開かれる桜祭り。
そこに現れた巨大エビの群れ。人を捕食するサイズだから乗用車とか軽トラくらいのサイズかな。
この大事件をザックリと二つの視点で描く物語。
一つは子供13人を連れて潜水艦に立てこもった二人の若い幹部候補生。
もう一つは手持ちの武器ではエビに太刀打ちできずにモヤモヤする警察・・・の中でちょっと異端気味の二人。
映画シンゴジラのように、有事の際に自由に武器が使えずもどかしい思いをする前線の人たち。
潜水艦内であらわになる面倒くさい人間関係。
縄張り争いで面倒な警察と自衛隊。
展開的にはムカムカするばかりで、なかなかスッキリさせてくれない。
それを楽しめるか、だな。
この文庫版では巻末には前日譚が付いたらしい。
『ブレイズメス1990』
海堂尊 講談社
読始3/21 読了3/23
コメント・・・
桜宮シリーズの中の・・・年号三部作とでも言えばいいのかな。
高階がまだ院長ではなく先代の佐伯院長の時代。
バチスタシリーズではどんな活躍をしていたのかイマイチ覚えていない世良が、天才心臓外科医天城を日本に呼ぶことから始まる。
それぞれが何を考えているかはわからないんだが、天城は金は取れるところからはザックリ取って医療予算を充実させようとしていたのかな。
それをするための病院は自分で立てろと無茶振りされてるんだけど。
そんなドクター天城の孤軍奮闘物語。
『空飛ぶ広報室』
有川浩 幻冬舎
読始3/25 読了3/28
コメント・・・
自衛隊、四部作目といっていいのかな。世間では多分言われてないだろうけど。
作者は自衛隊応援派だね。
いやぁ、タイトルからしててっきり飛行船の中に広報室でもあるのかと思ったらそんなことはなく、航空自衛隊広報室の物語であった。
ブルーインパルスを目指していた空井は交通事故に巻き込まれて怪我をして、パイロットの道を断たれる。
そして巡って来たのは広報室の仕事。事故のショックで心が死んだままなんとなく仕事をしていた。
一方報道記者を目指していた稲葉は、自衛隊回りの担当に回されてスネていた。
そんなやや新人の二人が出会い、ぶつかり、火花を散らし、火が付き、明るくなったり燃え上がったり。
航空自衛隊をプッシュするためにテレビや雑誌に、飛行機とか施設とか利用して見ませんか、と売り込むのが広報らしい。
拙者的にはドラマのセリフに航空自衛隊と入れてもらうことで何がうれしいのかイマイチ判断しかねるのだが・・・
まぁ・・・知ってるようで全然知らない職業モノ、とでも言えばいいのかな。
追加章として東北大震災周りを絡めた話がラストに。
『スリジエセンター1991』
海堂尊 講談社
読始3/29 読了3/31
コメント・・・
逆風。
どうにも日本は天城には合わない世界なのだろう。
権力争いならともかく、考え方の違いで否定しあうのはいかがなものか。
医療への考え方の相違。いや、医療費か?
さて、作者的にはどうなるべきだと言うのだろうか?
悲しい・・・というより残念な話かな。
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