20年10月
『八丁堀のおゆう』・『武姫の後宮,2』・『悪の五輪』
『武姫の後宮,3』・『魔法科高校の劣等生,10』・『魔法科高校の劣等生,11』
『大江戸科学捜査 八丁堀のおゆう』
山本巧次 宝島社文庫
読始10/1 読了10/2
コメント・・・
八丁堀の十手持ちと馴染みで出入りする謎の女おゆう。
その正体はタイムトンネルを抜けて現代とかなり平和だった文政の江戸とを行き来する時の旅人だった。
というわけで事件に首を突っ込んではチョチョイと証拠品を失敬して現代科学で分析する。
のだが・・・
指紋だの科学分析だの江戸の人に通用しない理屈をどう説明するかが問題なのだ。
今日も首をひねって理屈を考えるぞ、という不思議ミステリ。
『武姫の後宮,2』
筧千里 カドカワBOOKS
読始10/3 読了10/5
コメント・・・
脳筋令嬢は一番皇帝に近いと思われている存在であり、当然正姫の座を目指す後宮の上位陣には好かれない。
逆にお妃になる気のない令嬢とならば仲良くなるチャンスはある。
柴犬のように小さく元気なフランソワ。
元軍人である脳筋ヘレナに弟子入りして自らを磨く選択をするのであった。
各巻のケツについている広告ページによると、もう彼女が悪人相オッサンと結婚する物語は存在するようである。
そして、葬儀のダンスに向けて悪戦苦闘のヘレナ。
武術が得意ならステップもさらっと使いこなしそうなものだが、この話ではそうはならずなかなか手間取る模様。
『悪の五輪』
月村了衛 講談社
読始10/6 読了10/8
コメント・・・
裏の世界の連中が犯罪で世界一を目指す。
のかと思ったがそんな話ではなかった。
昭和の東京オリンピック。を撮影して作るオリンピック映画の監督の座を求めた一人の男がヤクザに力を求める。
組で浮いてた映画好きの変人ヤクザ人見が二流監督錦田を担ぎ上げるためにジタバタする、まぁピカレスク系退廃、かな。
いろいろと実名で人が出てくるし、たとえば監督を断った巨匠黒澤明とか。もしかしたら自分が知らないレベルでかなりの実名キャラがいるのかもしれない。
平成/令和で行われるかもしれない東京オリンピックに先駆けて、闇を映し出してみました、みたいな話と言っておくか。
『武姫の後宮,3』
筧千里 カドカワBOOKS
読始10/8 読了10/10
コメント・・・
コメディ力が爆発?
ワガママ王女のしつけを頼まれた脳筋令嬢ヘレナ。
フランソワたちとまとめてブートキャンプでビシバシしごく。
後宮なのに色気のある話が全然無い物語の第三弾。
ヘレナの弟子たちが一丸となって戦う話はあるのだろうか?
あったら面白いな、と思わせる一冊。
『魔法科高校の劣等生,10
来訪者編<中>』
佐島勤 電撃文庫
読始10/11 読了10/14
コメント・・・
丁度、この来訪者編がアニメ化されたので、予習することに。
敵。通称吸血鬼は、実体を持たない精神生命体パラサイトであるらしいと判明する。
それが元・米軍兵士の肉体に入って何か画策しているようで、米国の追跡滅殺者のアンジー・シリウスとの奪い合い。
他にもそれを手に入れようともくろむモノも?
でも残念ながらバトル展開はイマイチ物足りなく、自分的にはコメディ要素の方が刺さった。
ほのか恥ずか死まったなし!
『魔法科高校の劣等生,11
来訪者編<下>』
佐島勤 電撃文庫
読始10/14 読了10/16
コメント・・・
全体的に・・・物足りなかったかな。
敵である吸血鬼/パラサイトが微妙な強さで敵に回しても圧力が足りない。
最強主人公が苦戦してはいるんだけど、技が当たらない/効果が薄いであって、苦戦させても敵の強さが生まれなかった感じ。
この辺は吸血鬼と戦えば主人公でも死ぬことがあるという菊地秀行の流れを大量に読んでいたのがマズかったか。
そしてまた、強さとは角度の違う、面倒な権力マウントの取り合い的な展開もあって、スカっとしない。
次回から進級という区切りのシリーズにしては、中途半端なストーリーの合間のような空気があったかな。
『大江山異聞 鬼童子』
菊地秀行 光文社文庫
読始10/17 読了10/25
コメント・・・
平安を舞台に、悲しき鬼酒呑童子と悲しき武士坂田公時がぶつかり合う。
源頼光四天王の残り三人はいまいちふるわないにぎやか視である(笑)
菊地秀行だからただの鬼退治ではなく美形とかオカルトとか秘術バトルとかライバル同士のシンパシーとか。
命の取り合いをした二人が一緒に酒を飲んだり共闘したり、また翻って笑顔で殺し合いを始めたり。
まぁ・・・いつもの、ではあるがキャラクターがオリジナルよりもパワー不足かな。
猛烈な魅力は感じなかった。
『はたらく魔王さま!16』
和ヶ原聡司 電撃文庫
読始10/26 読了10/28
コメント・・・
エンテ・イスラを守るために神を滅ぼしに行く。
その下準備をするのには魔王も勇者も使いにくい人材なので彼らはほっといて後方部隊が頑張る。
まずは空に飛び出すための部品集め。
それを手に入れるのに選ばれた人材が・・・
まぁ・・・しばらくは少々地味な展開かな?
『大名火消しケンカ十番勝負!』
土橋章宏 時代小説文庫
読始10/29 読了10/30
コメント・・・
自分を捨てた親父を殴るために信州から江戸に帰ってきた拓蔵。
当たるを幸いケンカ祭り。
そこで出会ったつわものが大名火消し、加賀鳶の親方の甚五郎であった。
ケンカも火事場につっこむのも命がけという意味では同じだ。
けど、問題は様々な火消しが消し場所の奪い合いでケンカになったりするのが困りものだ。
そんなお江戸で拓蔵が暴れまわる爽快痛快時代劇。イキオイがあって読みやすい。
あぁ、土橋節=走るということを考えたら、火事場までダッシュの火消しもまた走る物語と言えなくも無いな。
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