三月前期

『刀京始網』『ホーリィ&ゴースト』『デルフィニア戦記,11』
『天切り松闇がたり,1』『旋風伝』

『刀京始末網』
森橋ビンゴ ファミ通文庫


読始3/2 読了3/5

コメント・・・
無能な政府によって発令された始末法。言い方を変えると賞金首システム。
悪党・通称「愚連」は木の葉を隠すなら森の中と、都会に集結し、当然賞金稼ぎ・通称「始末」も集まってくる。
さて、始末法と同時に拳銃所持違反だけはキッチリカッチリ進めたらしい。持っているだけで極刑。この世界で許されるのは主に刀といった人力武器。
主人公の打ち砕く雅は鍛冶屋の娘なだけに鉄槌が武器なのだが。
父の死の現場で出会った、突き破る二ノ宮という美少年とともに始末の仕事をしながら仇を追う。
世界観は好きだけど(実際、ここまで警察が信用できないとなると始末法くらい発動しないといかんだろとか思うようにもなるわさ)キャラはイマイチかな。なまぬるい恋愛込みのストーリーも好みでない。




『ブギーポップ・アンバランス ホーリィ&ゴースト』
上遠野浩平 電撃文庫


読始3/3 読了3/4

コメント・・・
ホーリィ&ゴースト。ちょっと原チャリをパクろうとしたせいでとんでもない事件に巻き込まれ、利用され、大盗賊として名をはせてしまった少年と少女のコンビ。
彼らを操るのは包帯でグルグル巻きになっているイタチのCGで登場するスリム・シェイプ。
そして、目的は寺月恭一郎の遺産、世界を破滅させるという装置ロック・ボトムである。
明日なんて永久に来ないと言う冷めた優等生。明日の幸せを期待する短絡思考娘。
全く逆方向の二人がなんとなく噛み合って。
何の力も無い普通の人間が活躍するのがイイのかな?
相変わらず、なんか表現しづらい面白さがある。




『デルフィニア戦記,11 妖雲の舞曲』
茅田砂胡 C☆ノベルス


読始3/5 読了3/5

コメント・・・
あいかわらず軽くて読みやすい。一国の運命がかかっているのに(笑)
とはいえ、タンガ・パラスト連合軍はデルフィニアに返り討ちにあったばかりで、次の作戦を練るのが精一杯。
今度は北方の蛮国まで引き込んでの作戦らしいが。
その頃、リィはウォルのために愛妾探しをしていた。
って、普通しねぇよ。妻が妾探しとか(笑)
でも、まぁ、リィは元々いた世界では男だったらしいから、こっちの世界で女の姿になっているからといって男に抱かれるのは真っ平ゴメンなのであった。
そこで以前出会った



『天切り松 闇がたり 第一巻 闇の花道』
浅田次郎 集英社


読始3/6 読了3/9

コメント・・・
仕立て屋銀二という泥棒の元締めの孫分であった松蔵じいさんが留置所で昔語りをする。
粋でいなせな物語。
一巻は本人の活躍ではなく、彼の師匠・兄貴の仕事を語る。
目細の安。振袖おこん。説教寅。書生常。
みんな泥棒でありながら一般人よりも真っ直ぐにスジを通す者たち。
彼らの話を聞かされて、囚人どもは自分の卑小さを感じるわけですな。
面白い。最後の身請け話には泣かされた。




旋風レラ シウ伝』
朝松健 朝日ソノラマ


読始3/9 読了3/17

コメント・・・
土方歳三らとともに五稜郭に立てこもり政府軍と戦った少年兵、志波新之助。
敗戦後に彼はダッソーすなわち脱走兵として蝦夷を走る。
アイヌと、蝦夷の自然の凄さに出会い、そして二つのものを手に入れるための旅に出る。
それは一体何なのか。
北海道(アイヌモシリ)を縦断する間に起きる数々の奇跡の軌跡が感動的。
だが・・・
この本をお薦めというには、あまりにも不愉快な日本人のアイヌへの暴虐。
血臭と清涼が交互に吹き荒れる、そんな感じ。
ちなみにこの本は作者の旧作ノーザントレイルの改稿モノであった。



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