八月後期

『ハイペリオン 上』『黒の貴婦人』『千里眼』
『吸血鬼ハンターD,2』『神のロジック人間のマジック』

『ハイペリオン 上』
ダン・シモンズ 酒井昭伸:訳 ハヤカワ文庫SF


読始8/17 読了8/23

コメント・・・
ヒューゴー賞とかローカス賞とかを取っている、なんかよくわからないけどスゴイSF小説らしい。
まぁ、とりあえずこの巻での引き込み力は弱い。
ハイペリオンという星にある時間の墓標という場所。
ここにあるらしい何かを入手すべく連邦と放逐者が宇宙船隊を連れて向かっているらしい。
とりあえず連邦は一足先に時間の墓標に向かうべき巡礼者を7人選び、送り出す。
なぜ自分が選ばれたのかわからない・・・と自称する彼らは惨殺神シュライクが待ち構えている確率の高い時間の墓標へ向かいつつ・・・
自分とハイペリオンとの係わり合いを一人ずつ語っていく。
全員の話を統合すれば何かがわかるかもしれない・・・
そんな感じで一緒に旅をしながら、7つの別の場所・別の時間の物語になるのだろう。
残念ながら第一巻だけでは伝わらなかった。
が、まぁ、ゆっくり続きを読むさ。




『黒の貴婦人』
西澤保彦 幻冬舎


読始8/24 読了8/25

コメント・・・
懐かしい。匠千暁のシリーズ・短編集。
ホームパーティーに死人が転がり込んでくる、招かれざる死者。
二軒の居酒屋を気分で使い分けている彼らと同じ店に現れる、黒の貴婦人。
女だらけの僻地合宿におさんどんとしてタックがついていく、スプリットイメージ
死んだ愛人の残した(おそらく金銭的価値はないであろう)宝を探す、ジャケットの地図。
結婚式場での中途半端な祝儀泥棒、夜空の向こう側。
いつもに比べると微妙に酒量が足りないような気もするが、さまざまな謎を無責任にスッパリと切り分ける。
謎自体は比較的見切り安いかな。
だが、さっぱりしたストーリーにコールタールにようにベッタリ粘つくのが、さまざまな人の情念。
「うわぁ」って悲鳴を上げたくなるほどドロドロしてる。
まぁ、それはそれで面白かった。




『千里眼』
松岡圭祐 小学館


読始8/25 読了8/29

コメント・・・
東京晴海医科大付属病院の院長にしてカウンセラーでもある友里佐知子は相手の心理読み取りの技術ゆえに千里眼と呼ばれていた。
そんな彼女に出会って暴走系自衛隊員だった岬美由紀はカウンセラーとなった。
そして、美由紀が担当する登校拒否の少女のカウンセリングから始まる壮大すぎる陰謀劇が始まる。
前半は無理解に苦しむカウンセラーとしていろいろ苦労するリアル系ストーリー。
それが後半、ありえないほど話が膨らむ、加速する。
まぁ、人によってはヤリスギと思うかもしれない。
うん。何でもかんでも美由紀一人にやらせすぎたなぁ。
組み立てた世界のぶっ壊し方は、良かったんだが。




『吸血鬼ハンターD,2 風立ちて“D”』
菊地秀行 ソノラマ文庫


読始8/29 読了8/31

コメント・・・
謎の遺跡が近くにあるその村では、昼間出歩く吸血鬼という恐怖にさらされていた。
さらに、村の中でのつまらないいさかいまで。
そんな土地に呼ばれたハンターのD。
Dに付きまとうのは都への留学が確実とされる少女リナ。以前神隠しにあったらしいが・・・
とりあえず・・・
敵の強さは感じられないが、ストーリーのしっとり感は良い。
物足りないかと思ったが、最後で満足した。




『神のロジック人間のマジック』
西澤保彦 


読始8/31 読了9/2

コメント・・・
御子神衛11歳。
何があったのか記憶は無いが、陸の孤島とでも言うべき全寮制学校につれてこられていた。
と、いっても生徒数は少なく、彼を含めて6人だけ。
そして、この学校(?)では、午前中に通常の勉強。午後からは設定された事件を想像だけで推理する、という不思議なもの。
推理クイズは考え方が面白ければそれはそれでOKが出たりする大雑把なもの。
あまりにも風変わりな学園を彼らはどう思っているのか。
一人は探偵学校だと、一人は前世の記憶を持ったものが集められたのだと、一人はこの世界は現実ではなくバーチャル世界の実験システムではないかと。
そんな学校に新たな生徒が来るという。
なぜか激しく動揺する生徒たち。
衛が尋ねると、転入生が早くこの学校に適応してくれないと悪いものが目を覚ますと。
そして、学校を違和感が包み込む・・・
と、いうことで、なかなかのストーリー。
久しぶりに過剰な伏線のせいで「やっぱりそういうことか」という読後感を持たせる西澤作品を読んだかも。




トップに戻りたい
リストに戻る
欄外 ゲームの伝道


モンスターハンターを続けています。