十二月後期
『魔界都市<新宿>』・『ルチャリブレがゆく』・『百器徒然袋 風』
『逆宇宙ハンターズ,1』・『津軽風雲録』・『俺はロンメルだ』
『マジカルランド,10』・『魔宮バビロン』・『逆宇宙ハンターズ,2』
『生贄を抱く夜』・『闇絢爛』
『魔界都市<新宿>』
菊地秀行 ソノラマ文庫
読始12/16 読了12/16
コメント・・・
すべてはここから始まった。
菊秀ワールドの原点。
魔震によって他の区から切り離された新宿。
ここに一人の魔導師が現れ、世界連邦政府の首相を呪い殺そうとしていた。
ヤツを倒せるものはただ一人。
十六夜念法の使い手、十六夜京也。
首相の娘のさやかに微妙に引っ掻き回されながらも、親の形見の木刀阿修羅を振るい魔を断つ。
だ・け・ど・・・
あまりにも古すぎるこの本。
挿絵があまりにも無残。
表紙を見ただけで orz って感じになれる(爆)
そういえば完全版とか言うのが出たんだっけな?
どのみち拙者的にはマンガ版、細馬信一の十六夜京也のイメージが一番強いんだが。
ストーリーは良かったです。うん。
今では超絶美形のメフィストもこの本ではちょび髭の怪しいオヤジってのがアレだけど(笑)
『ルチャリブレがゆく』
黒田信一 講談社文庫
読始12/16 読了12/19
コメント・・・
ルチャリブレ。メキシコプロレス。ルチャが闘いでリブレが自由らしい。
日本やアメリカのプロレスと違って、華麗に宙を舞う空中技が多いのが特徴。
なのだが・・・
だまされた。そう気付いたのはどこだったろうか・・・
次々と巡業を続けるルチャ・オソマキなる団体がアチコチで人の心に火をつける。
そして、愛と正義の戦士オソマキ仮面の中身はひょっとしてオレの知り合いじゃないか?と追いかける区役所戸籍課の男も。
そして、追いかける追いかける、追いつかない追いつかない。
ルチャリブレはサッパリ出てこない。
そんな感じのオトボケストーリー。
まぁ、面白くはある。
『探偵小説 百器徒然袋 風』
京極夏彦 講談社ノベルス
読始12/19 読了12/21
コメント・・・
京極夏彦で探偵と言えば、榎木津礼二郎である。
しかし、彼は他人の記憶が見えると言うインチキ探偵である(笑)
そんな能力があれば無敵ではないか。
まぁ、榎木津は自分が面白ければなんでもいいというテキトーな性格で前向きに探偵をしようとしているわけではないが。
だが、この自分勝手大王にケンカを売ろうという者がいた。
その男はなんとか榎木津に恥をかかせようと必死にたくらむ。
そんな中編3本。
メインキャラは巻き込まれ型の本島くん。
自分は何の変哲も無い一般人だと自他共に認めるものでありながら、中善寺が止めるのも聞かず?榎木津の薔薇十字探偵社に出入りしているためバカがうつっているという。
それなりに面白。
『逆宇宙ハンターズ,1 魔教の幻影』
朝松健 ソノラマ文庫
読始12/21 読了12/22
コメント・・・
これは、迫力があるオカルト小説だ。
淡島春夫の周りで次々と起こる怪異。
邪教真言立川流の分派、さらなる邪教苦止縷得宗の経文を求めていくつかの勢力がぶつかり合う。
しかし、なんでくしるうかな。くとるうって読めばクトゥルーに近いと思うけど。クトゥルーとはかんけいないのかな。
逆宇宙ハンター比良坂天彦、都道和尚と筋肉坊主都英。
味方のキャラも面白い。比良坂天彦。十二指腸潰瘍のハンターって・・・(笑)
いや、(笑)じゃなくて迫力のあるホラーなんだけど。
『津軽風雲録』
長部日出男 時代小説文庫
読始12/22 読了12/25
コメント・・・
時は、信長後期から関ヶ原が終わってすぐ、くらいまでかな。
舞台はもちろん津軽。ここでおきた反乱。
大浦弥四郎は南部家の領地の端の方を切り崩して自らのものとした。
そして、その土地を安泰にするために、太閤秀吉の朱印状を受けるために奔走する。
晩年は・・・
まぁ、ぶっちゃけると人間的な魅力はイマイチかな。
若い頃の策略とかは見るべきところも有るんだけど、容赦なく必死系というか。
まぁ、そうでなくっちゃこんな時代を生きられないけどね。
ただ、全編通じて徹底的な津軽弁の文章が小気味いい。
とにかく多いのが〜〜の様だ。と、駄目かな。
今後の役に立つかどうかは分からないが(笑)
『俺はロンメルだ』
かんべむさし 講談社文庫
読始12/26 読了12/26
コメント・・・
ふしぎ系ショートショート。
いや、普通に考えてふしぎじゃないショートショートなど無いような気もするが。
まぁ、それなりに面白い。
けど、どうせならあとがき解説を先に読んだ方が良かったかも。
作者の経歴を知っていた方が深みが出たか?
『マジカルランド,10 大魔術師、故郷に帰る!』
ロバート・アスプリン 矢口悟:訳 ハヤカワ文庫FT
読始12/26 読了12/27
コメント・・・
スキーヴ君、大ピンチ。
ヘムロック女王に自分と結婚するか、もしくは自分が退位してスキーヴを国王にするか、と。
本来なら喜ぶべき状況なのかもしれないが、スキーヴとしては考えもよらない展開に腰が引けまくり。
いったいどうなる!?
命がけの冒険よりもピンチなスキーヴに(笑)
しかし、シリーズ的な面白さとしてはイマイチか。
結局、各キャラクターがスキーヴの相談に乗って各自の結婚思想を語るばかりという感じがしなくもないし。
『魔界都市<新宿> 魔宮バビロン』
菊地秀行 ソノラマ文庫
読始12/27 読了12/28
コメント・・・
魔界都市再び。
超危険地帯、新宿中央公園上空に突如現れた巨大な庭園。
それは古代バビロンの空中庭園であった。
謎の仮面オーナーによって日本中の名士がパーティーに招待される。
その中にはなぜか十六夜京也も含まれていた。
仮面のオーナーの目的とは?彼の部下である三色の鎧騎士、マルドゥークの三騎士との決戦はどうなるのか。
なかなかのアクション小説。
表紙、挿絵は前回に比べずいぶんマンガっぽく、メフィストも怪しげなおっさんから美形に進化(笑)
『逆宇宙ハンターズ,2 魔霊の剣』
朝松健 ソノラマ文庫
読始12/28 読了12/28
コメント・・・
淡島威明。春夫の死んだはずの兄であり、現在は赤白二Hの秘術によって淡島なつきの皮を着込んでいる。
うむむむむ、ホラーだ。
この威明率いる苦止縷得宗。謎の魔術集団星智教の巨勢玄応。そして最弱勢力の淡島春夫と親身になってくれる仲間たち。
彼らはそれぞれの目的のため封印されし苦止縷得宗の秘宝を奪い合う。
日本でもほぼトップのオカルト識者の描く世界は、さすがに雰囲気が違う。
まぁ・・・ずいぶんと死体が転がることになるんだけどね・・・
『神麻嗣子の超能力事件簿 生贄を抱く夜』
西澤保彦 講談社ノベルス
読始12/28 読了12/30
コメント・・・
あとがきで作者も言っているが、関係者視点の小説であり嗣子らが登場はするものの大筋の進展がない短編集。
キャラとキャラの関係。全てが超能力の関わる事件であること、など初見者おいてけぼり感も強い。
そして、中身はいつものアレ。
珍名奇名辞典から持ってきた不思議な名前の人達が事件を起こしたり巻き込まれたり。
そして超能力者問題秘密対策委員会、略してチョーモンインの人が出てきて解決する、と。
どんな能力が使われたかは観測機で分かっているので、誰がどう使ったか、が謎になるのかな。
そしてどす黒い心の闇。
しかし、最後の書き下ろし短編は全てを吹き飛ばすほどバカで笑えるナイスな作品。
goodな〆だね(笑)
『闇絢爛 〔百怪祭U〕』
朝松健 光文社文庫
読始12/30 読了1/5
コメント・・・
菊地秀行の幽剣抄シリーズは時代劇に幽霊を絡めたものである。
だが、この百怪祭は歴史をオカルト視点で見つめたもの、とでも言おうか。
そのせいで単純な面白さはない。
しかも、時代は室町。知ってるような気もするけど、細かい事を聞かれたら何一つ答えられない。
そんな時代が語られる。後醍醐天皇や、六代将軍足利義教。
しかも、怖いのは、恐ろしいのは人の心だ。という話になってくるとホラーの立ち位置が揺らいでくるでしょ(笑)
時代考証がしっかりしすぎていて素人が気軽に読んでもあまり楽しめないだろう(爆)
無論、拙者も細かい設定の少ない話しか楽しめなかったのである・・・
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