三月後期
『フェティッシュ』・『源内万華鏡』・『魔界都市<新宿>【完全版】』
『陰陽師 鬼一法眼,2』・『ユダヤ・ジョーク集』・『本気になれない二死満塁?』
『寂しがりやのブロッサム』・『だまってすわれば』・『銀河乞食軍団外伝,3』
『D―薔薇姫』・『オロロ畑でつかまえて』
『フェティッシュ』
西澤保彦 集英社
読始3/15 読了3/16
コメント・・・
目次を見たところで、構成の正体が見えた。そのことが特に役には立たなかったけど。
なぜなら!この話は推理小説ではないからだ!! orz
じゃあなんなのかというと、なんだろね。サスペンスとでも言うのかな。
拙者的には嫌小説と名づけたいけど。
そう。人間の暗い部分に溜まった澱の様なものを激しく強調して書かれる登場人物たちが、誰にも共感を得られないようなとても終わってて腐ってて破滅に向かって進んでいく。
まぁ・・・つまり・・・
反面教師的な? 愚を見せ付けて、こうはなるまいと思わせる。みたいな?
そんな小説なのかな(笑)
『源内万華鏡』
清水義範 講談社文庫
読始3/16 読了3/17
コメント・・・
平賀源内。日本の誇る発明家っていうかエンターテイナーかもしれない。
究極のマルチタレントである源内。うん、拙者も大好きだ。
そんな彼が讃岐で父親を亡くし、後を継いで蔵番となった辺りから話が始まり、江戸でその一生を終えるまで。
次から次に目に付いたものに興味を示し、挑戦する。
特にオランダ渡りの製品には、尊敬感動とともに反感を持つ。
なにしろ糞ボッタクリな値段なのだ。
日本が無駄遣いしなくてもいいようにと、その商品を自作する。
発明家としての角度から日本のために一生懸命であったのだ。
そんな源内物語、ただし、清水義範にしては別に『(笑)』は無い。
楽しくはあるけど、笑わせようとはしていない。マトモな歴史物と言えばいいか。
『魔界都市<新宿>【完全版】』
菊地秀行 ソノラマノベルス
読始3/17 読了3/22
コメント・・・
つい最近読んだ魔界都市<新宿>と魔宮バビロンの二冊をまとめて加筆修正したモノ。
まぁ・・・どの辺をいじったのか良く分からない程度の変化だけど。
父の念の籠もった木刀「阿修羅」を手に悪の魔導師と戦う少年、十六夜京也。
超科学や魔法の舞踊る<新宿>に吹き荒れる闘いの嵐。
そうだな・・・
メフィストの存在が安定した現在に合わせるなら、文庫よりもコッチのノベルス版を読むべきかもしれない(笑)
『陰陽師 鬼一法眼 弐之巻』
藤木稟 カッパノベルス
読始3/22 読了3/23
コメント・・・
読みやすい本。その代わり、引っ張れそうな部分をあっさり書きすぎという気配もあり。
ついでに、本編の方は特に進展がないような・・・
頼朝に裏切られ、殺された牛若丸の怨霊は天狗霊となって復讐を図るのであった。
そして、陰陽師たちは怪異があれば儲かって言うこと無しと魑魅魍魎を全滅させるつもりはさらさらない。
特に京都本家の陰陽師たちは金勘定ばかりで霊力は皆無という体たらく。
そんな中、鬼一法眼は頑張るのかというと、特にそんなことはない(爆)
天狗霊が無茶をし過ぎない程度に魔除けはするが。
しかし、妖怪なんぞよりも人間たちの方がよっぽど姦計を張り巡らし悪の道というか、自分が得する道をまっしぐらなんだけどね。
鎌倉は、闇だ。
『ユダヤ・ジョーク集』
ラビ・M・トケイヤー 訳:加瀬英明 講談社+α文庫
読始3/24 読了3/24
コメント・・・
迫害の歴史を持つユダヤ人が今日まで強く生きてきたのはジョークによるところが大きい。
というのがどこまで本気だかは分からないが、ジョーク好きな民族ではあるらしい。
まぁ、全体的にはそこそこの面白さってとこかな。
っていうか、コレって俗に言うアメリカンジョークの範疇だと思うんだよね。
つまり、世間でアメリカンジョークと言われているものは、歴史的に言うとユダヤジョークと呼ぶのが正しいのかもしれない。
あぁ、オマケに、男性視点のネタが多くて女性には楽しめないかも。
脳内で男女を入れ替えれば一部の・・・アダムとイヴネタ以外は誤魔化せるけど(笑)
『フルメタル・パニック!
本気になれない二死満塁?』
賀東招二 富士見ファンタジア文庫
読始3/25 読了3/26
コメント・・・
スチャラカギャグ短編バージョン。
この話もたいがいアニメで見たものだな。
軟弱なラグビー部員を宗介のフルメタルジャケット式の特訓で鬼に変えるという(笑)
まぁ、爆笑は無いけどニヤニヤ程度には楽しめるかな。
『宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ opt.2
寂しがりやのブロッサム』
庄司卓 富士見ファンタジア文庫
読始3/26 読了3/27
コメント・・・
中編二本。
前回で準備まではしていた文化祭が行なわれ、山本洋子は八面十臂の大活躍。
ありとあらゆるイベントに飛び込みながら自分のクラスの出し物にだけは付き合わない。
釣り目のネコ目気味の自分の目玉がコンプレックスで、お化け屋敷でバケ猫はやらないと啖呵を切るが・・・
クラスメイトが持ち込んだ役は化け猫の隣にいるただのネコというわけの分からないものであった(笑)
猫耳を持って追いかけるクラスメイトから逃げ回る。
そのころ白鳳院綾乃エリザベスは体操服ブルマーにウサ耳をつけて客引きをしていた。
そんな話と、中間試験直前に試合を持ち込まれて困るマドカ達の話。
『だまってすわれば ―観相師・水野南北一代―』
神坂次郎 小学館文庫
読始3/27 読了3/29
コメント・・・
観相師、要するに人相見だ。
江戸時代随一の占い師水野南北の生涯を描いた物語。
10歳の頃家を飛び出し、ヤクザまがいの生き様を送り、ある時乞食坊主に死相が出ているといわれ・・・
それが的中した時、彼は乞食坊主に弟子入りするのだった。
南北は学が無いため実地修行の連発人生。
千人観相。万人観相。
人の顔を見ようと思い立てば、髪結い床に弟子入りし、顔だけでなく髪の毛の相も研究するようになり。
人の体を見ようと思えば、風呂屋の三助に潜り込む。三助ってのは、一言で言えば背中流し屋だね。
そういえばこの時代の銭湯は混浴なのであった。老若男女を問わず、見て見て見る。
だけでなく、極道上がりの口八丁で人生を聞き出す。
つまり、この顔はこういう人生、と体系付けて研究するわけだ。すげぇぜ。
このように論理的な観相で名を挙げ、千人規模の弟子を持つまでになる。
そして世界初(?)「食」の内容も占いに絡め、粗食によって運勢を上昇させるという理論を完成させる。
『銀河乞食軍団<外伝3>
キャットントン星系宝船事件』
野田昌宏 ハヤカワ文庫JA
読始3/29 読了3/29
コメント・・・
星海企業のメカニックお七とネンネ。そしてその見習いであるおネジっ子のヒナ子クウ子ハナ子の三人が巻き起こすトラブルストーリー。
漂流していた宇宙船を開けたらキャットントン星人の宇宙海賊が飛び出した?
年頃の女の子なら当然気になる結婚式、の手伝い物語。だが、新郎の美形は怪しすぎるぞ(笑)
そして謎の泥棒乞食から奪い取ったアレはなんとアレだった!
おネジっ子がいなければそんなに被害は広がらないんじゃないか、とツッコミたくなるタイプの拡大型トラブル。
まぁ、軽く笑い飛ばすつもりで読むのが正解か。
『吸血鬼ハンター,8 D―薔薇姫』
菊地秀行 ソノラマ文庫
読始3/29 読了3/30
コメント・・・
その村は貴族に守られていた。
盗賊や妖魔の侵入を防ぐ代わりに、時折村人の血を吸いにやってくる。
世界的に見れば標準をはるかに上回る平和。今まではそれで良しとしてきた、が。
時が流れ、貴族の支配に疑問を持つものが現れた・・・
Dの前に現れる薔薇姫と四色の騎士。
凄絶な死闘が始まる。
『オロロ畑でつかまえて』
荻原浩 集英社
読始3/31 読了3/31
コメント・・・
絶望的に過疎の村、牛穴村。地続きなのに東京の人と言葉が通じないとか(笑)
この地の青年団(ただし30overの青年)は必死に搾り出した500万で村おこしの広告を貼ろうとする。
だが、業界的にははした金の500万程度では倒産寸前のユニバーサル広告しか動いてはくれなかった。
村が一発逆転を狙うことは出来るのか?
過疎ねぇ・・・地元の人にとっては大変なことだが、人を呼び戻してどうなるんだろ、と冷たいことを考える。
それに過疎村は一つじゃないし。
あぁ、でも上手く引き戻しをしてくれたら都会の人口密度が少しは解消されるかな(爆)
とにかく牛穴村は人をひきつけるための特産物を用意(?)した。
世間ズレしたド田舎村の人と、ヒトクセある広告代理店が手を結ぶとどんなアイデアが生まれるか!?
まぁまぁ、楽しい。
一部文章がセリフの連発になるんだが、別にしゃべり方に個性があるわけではないのでそのセリフが誰のものなのかわからなくなって首をかしげること数度。
新人賞受賞作ということでノリ重視で読むのが正解か。
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ゲームの伝道
モンスターハンター2
HR30試験、シェンガオレン。ソロ撃退に成功。
だが、討伐できた人もいるというから拙者もまだまだレベルが低いな。