五月前期

『陰陽師 鬼一法眼,4』『逆宇宙レイザース,3』『用心棒日月抄』
『亜州黄龍伝奇』『銀河乞食軍団,12』『蒼穹の昴(上)』


『陰陽師 鬼一法眼 切千役之巻』
藤木稟 カッパノベルス


読始5/2 読了5/3

コメント・・・
なんだか突然タイトルが四之巻ではなく切千役きりちやくなんて書き方になっていて困った。
切千役ってのは、一度に千人の首を落とせるもの・・・らしい。
それはそれとして、ついに源頼朝が呪いに倒れ、天狗道に堕ちた義経大喜び。
そして、鎌倉幕府は様々な思惑の御家人、北条一族、頼朝の息子で跡継ぎのはずなんだけど妖虫に取り憑かれて乱暴狼藉人気無しの頼家派による覇権の奪い合いとなる。
一体どうなる?そして鬼一法眼はどのように立ち回るのか?
表紙がムダにオメガセクシーな一冊(関係ないじゃんwww
ちなみにコレは女天狗の大鏡のようだ。
女の天狗は鼻が長くないんだね(爆)




『逆宇宙レイザース,3 青き怪魔洞』
朝松健 ソノラマ文庫


読始5/3 読了5/8

コメント・・・
白照宮の道士たちはさらわれた少年の奪還及び、ギャング黒9ハクナインの本部を叩き潰すべく命がけの総力戦を挑む。
そんなことより、広東語読みだと黒がハクなのか。ハク=白ってイメージあるからなぁ(笑)
そして、その戦争には日本からやってきた都英と管主の蓮玲得も参加する。
近代兵器・伝統武具・妖術と入り混じった大乱戦。
だがその頃、白鳳坊はまだ日本で旅行の準備をしていた(爆)
それどころか敵の妖力攻撃によって次々に妖術を失う呪いを受けてしまった。
二手も三手も遅れた白鳳坊に挽回のチャンスはあるのか?
・・・
なんつーか、変換不可能な漢字が多用されているから中途半端な文章になるな・・・
今回の豆オカルトは伏功。科学的な道術。
っていうか、その正体は爆薬や毒薬を扱う技術でした(爆)




『用心棒日月抄』
藤沢周平 新潮文庫


読始5/8 読了5/11

コメント・・・
前から気になっていた藤沢周平の本に手を出してみる。
結論から言うと、ものすごく面白かった。
脱藩浪人青江又八郎は生活のため江戸のハローワーク(笑)口入れ屋の相模屋でいろいろな仕事を請け負う。
人足や用心棒。用心棒といってもヤクザに先生と呼ばれるようなものではなく犬のお守りだったり、かなり微妙。
彼がそんな生活を続けているころ、赤穂浪士たちは着々と吉良家討ち入りの準備を進めていた。
又八郎の生活と、見え隠れする赤穂浪士の影。
別に彼らを手伝うとか邪魔するとかじゃなくて、ただそこにいるというか同じ時間にいる。
そんな連作短編集。
口入れ屋の吉蔵とか、同じ店で仕事を取り合う子だくさん浪人細谷とか、味のあるキャラが多くてその辺も面白い。
忠臣蔵は正直好きじゃないんだけど(なぜか世間で大人気の話だから)こうやって話の裏に挿入されるとウマイな、と。
満足した。




『亜州黄龍伝奇』
狩野あざみ 徳間ノベルス


読始5/9 読了5/12

コメント・・・
このシリーズもずいぶん前から気になっていた。
まぁ、イラストの山田章博の方向からだけど。
普通の大学生、工藤秋生は遠い親戚の結婚式に・・・遠すぎて中国人だよ・・・香港へ旅行気分で出かけた。
が、空港でパスポート泥棒に出くわして以来ろくでもない事件に巻き込まれ続ける。
マフィアが、政府が、なぜか彼を捕らえようと追いかけてくる。
一体この香港で何が起きているのか?
そして、彼を迎えに来た親戚のはずのセシリアは実はすでにアメリカで死んでいる?
青年実業家ビンセント青と巨漢のギャング、ヘンリー西との関係は?
五行思想とオカルトのたっぷり詰まったアクション活劇。
最近読んでいる逆宇宙レイザースでも見かける香港の地名が、ナイスリンクいい感じ。
銅鑼湾って書いてコーズウィイベイとかさ、イギリスの植民地になったせいでワケワカランな(笑)
主人公がちょっとばかし頼りないんだけど、それはそれで良しとするか。




『銀河乞食軍団,12 異変!<星古都>星系』
野田昌宏 ハヤカワ文庫JA


読始5/12 読了5/15

コメント・・・
星古都ほしのふるみやこ。とうにさびれたこの星にボロボロの宇宙ステーションがあった。
そこで働いていた桃鷹。
宇宙空間でタコみたいな幽霊に取り憑かれて(?)なんだか大変な騒動に巻き込まれる。
いや、飛び込んでいく。
出てこないのか?と心配された銀河乞食軍団こと星海運輸のメンバーもギリギリ登場。
しかしゲロ政を頭にした何人かの若手が行方不明となる。
そして宇宙で行方不明になった人達が生きたまま遠距離で見つかるという事件が増えてきた?
それに伴う、第一部の事件の正体に東銀河連邦の軍部が気付き始めた。
派遣されてきたキレ者の軍楽団艦長と、星涯ほしのはて宇宙軍の諜報戦。
まだ始まったばかりだけど、一体何がどう進むのか。
かなり気になる上手な書き方。やるねぇ。




『蒼穹の昴(上)』
浅田次郎 講談社


読始5/15 読了5/17

コメント・・・
1886年、中国、科挙のあった頃・・・
科挙!!??
浅田次郎は日本ヤクザの話ばかりだと思ってたから中国を舞台の話に驚いたわい。
ガキんちょ李春雲は、占いおばばに「お前は全ての富を得る男になる」と言われる。
あの西太后の溜め込んだ富さえも。
しかし、小李は田舎の馬糞拾い。糞を干して焚き付けにして売るのが仕事だ。
この度、アニキが挑戦する科挙に小間使いとして都に付いて行くのだが・・・一体何が待っているのか?
本当に占いババの予言は当たるのか!?
しかし・・・
主人公が誰なのか微妙だな。
様々な登場人物が、清の歴史を作ったのは俺だ俺だと主張する。
そのなかでも主人公かと思われた春児の出番はかなり控えめ。
どっちかというと科挙を受ける文秀の方が出番多いよなぁ。
むしろ、中国が主人公か?中国の上でピチピチ跳ねる小さな人間模様を描く、みたいな。
そして色々と勉強になる各種情報。
科挙の答案って、手書きで複写して複写の方を審査するんだってね。
もはや誰の答案だか分からないし、インチキの入り込む余地無し!凄いね。
ただ、気になるのは探花だよ。古龍の小説で科挙第三位の探花は顔の端正さを必要とするって言われてる。
なら、文秀・順桂のどちらかが取る席次で、色黒のがっしりして貫禄のある王逸は無いだろ(笑)
最後に、日本の明治維新を「成功した改革」と言われるとえらくくすぐったい。




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