五月後期

『蒼穹の昴(下)』『モンスターハンター,3』『逆宇宙レイザース,4』
『マルドゥックスクランブル,2』『しびとの剣,3』『餓狼伝,12』
『ニャンコ、戦争へ』『インベーダー・ストリート』『ダブルブリッドY』
『緑の底の底』


『蒼穹の昴(下)』
浅田次郎 講談社


読始5/17 読了5/20

コメント・・・
様々な思惑を乗せたまま清の時代は突き進む。
西太后派と光緒帝派。本人同士は完璧な親子の情愛と孝心で結ばれているはずなのに取りまきが暴れだす。
李春雲や梁文秀は争いを回避するべく努力をするが・・・
んー、拙者のごとく歴史を知らなければこの後なにがどうなるか分からず小説として面白いな。
そう、中国という巨大な国の歴史の流れをおなかいっぱい楽しんだ。
ただ、やはり数多くの登場人物が均等に登場するため「これだ」という主人公は選べない。
春雲が西太后に仕え、文秀が光緒帝と政治を行い、カスチリョーネが乾隆帝の下で芸術能力を全開にし。
栄禄が、李蓮英が、袁世凱が権力と富を虎視眈々と狙い・・・
この時代の後活躍する、孫文や毛沢東もほんの少しだけ登場する。
それだけでもね、面白いね。
なんというか、清廉な鹿鼎記というか(笑)
だからって鹿鼎記が下という事もなく、コッチの主人公不在感に物足りなさを感じる人は、汚れた蒼穹の昴である鹿鼎記も楽しめるかもしれない。
やっぱ中国はいいよなぁ・・・
で、中国は好きだけど中華人民共和国はそうでもないというオチ。




『モンスターハンター 長の資格』
ゆうきりん ファミ通文庫


読始5/20 読了5/22

コメント・・・
血気盛んなジーグは最近のエルメリアの消極的な作戦が気にいらなかった。
そこで彼は街を飛び出し、別の土地で自分をリーダーとするPTを組むことにした。
一体どんな仲間と出会うのか?不安と期待を込めてバサルモス退治の募集札を貼る・・・
暴走にも似たやる気満々のジーグが、まぁ、圧倒的上級ハンターの拙者からすると微笑ましい、かな?
わりかしおとなしめの主人公が多い昨今、こう単純に熱いのはイイかもね。




『逆宇宙レイザース,4 黄泉の魔天楼』
朝松健 ソノラマ文庫


読始5/22 読了5/23

コメント・・・
3巻のあとがきで作者が宣言していた通り、全編が白鳳坊の大活躍物語。
いつものやり口で台湾マフィアに潜り込み内部から壊滅させるのだ。
だが、急がなくては敵の首領にかけられた妖術によって白鳳坊の妖術が少しずつ剥がれ落ちていくのだ。
あぁ、今また一つ術が消えてゆく・・・
そういうわけで、妖術と銃と刃物や肉体のぶつかり合うギャングアクションストーリー。
好きですねぇ、こういうの。




『マルドゥック・スクランブル
The Secondo Combustion―燃焼』
冲方丁 ハヤカワ文庫JA


読始5/23 読了5/24

コメント・・・
表紙がヤバイ。スゴイ顔で泣いている少女が血塗れの銃を握っている。コワイって・・・
だけど今回はほとんどそういう話にはならない。
まずは乱用されてボロボロになったウフコックの治療(修理)、バロットは隔離された都市「楽園」で何人かの人物やイルカと出会い今後の人生について考える。
そして前向きに進むために・・・
カジノへと向かった(爆)
後半はカジノ物語かよ(笑)
そして彼女に襲い掛からんとする敵、ボイルドの物語。
悪役にも一分の利?
まぁ、ほどほどに面白いか。




剣侠士シリーズ,3 しびとの剣 竜虎幻暈編』
菊地秀行 ノン・ノベル


読始5/25 読了5/25

コメント・・・
前の巻を読んだのはいつだったか・・・
・・・
・・・
読んでねぇよ・・・
2巻を飛ばして3巻を読んでしまった。
オメガマズ〜
しかし、面白いことは面白い。
冴月紫靡帝しびとは宿命の女性百合姫を武田の家紋をつけた大鷲にさらわれる。
そして彼女を取り戻すために甲斐の国へ突撃する。
だが、そこには武田信玄が待ち構えていた。
病魔に犯されていた彼は復活を約束するからくり師蘭剣に言われるままに紫靡帝を襲う。
そして、もう一人の甦りし者、織田信長の暴走。
二つの英雄の激突。
忍者同士の激しい術バトル。
そんな中、紫靡帝が望むのは平和。
戦乱を終わらせて世の中を平和にする。そのためにはオレが天下を取る!
凄い男の物語である。




『餓狼伝]U』
夢枕獏 フタバノベルス


読始5/25 読了5/26

コメント・・・
知り合いの用心棒・・・ヤクザにセンセイと呼ばれるタイプのあの用心棒。
日本刀の達人である土方を素手で倒した謎のおでん屋姫川源三に挑戦する丹波文七。
このオヤジは、かつて彼に失禁脱糞の恐怖を与えた姫川勉と関係ある人物なのか?
・・・
という疑問だけ残して、古い古いお話に移り変わる(爆)
グレート巽がまだスカウトされる前のブラジル。プロレスを見せる力王山。
挑発するガルシーア柔術のガスタオン。若き日の松尾象山まで登場する。
なんだかそろそろモトネタの人物名そのまんまだぞ(笑)
戦闘シーンよりもむしろ精神内部の語り多めの割りに、それなりに面白いとはいえ、決着の付かない不完全燃焼な場面転換が多くてイヤン。
次の巻はどう始まるのかねぇ・・・




『ニャンコ、戦争へ』
文:菊地秀行 絵:平松尚樹 小学館


読始5/25 読了5/25

コメント・・・
このサイト7年目にして初の、絵本(爆)
しかし・・・子供向けではないなぁ・・・
いや、ストーリーもだけど、かなりの量の漢字があって小学校低学年くらいじゃあ頭をひねるだろうレベル。
いったいどんな層に売り出したんだ?菊秀マニア???
とりあえずストーリーは、人間同士の戦争をする時代が終わり、代わりにネコを戦場に送り込むというタワケた世界。
僕が3歳の時、帰ってきたニャンコは右前足が義足に、右目まで失っていた・・・
名誉の負傷で10日間の休暇だった。
5歳の時、休戦で戻ってきたニャンコはもう一本足を失っていた。
だが、休戦は長くは続かず・・・
というイヤな話である。反戦物語である。
戦争なんか馬鹿馬鹿しいぜ、やりたきゃテメーらが死ねって感じだ。
実利的に考えたって国境書き換えなんてもう無いんだからやるだけムダだろ。
やれやれだ。




『インベーダー・ストリート』
菊地秀行 ソノラマノベルス


読始5/26 読了5/29

コメント・・・
菊地秀行の初期作品である、風の名はアムネジア・インベーダーサマーのカップリング収録。
共にかすかにしか覚えていないので安心して読む。
風の名はアムネジア:三年前、全世界が記憶を失った。人は赤子並みの知恵しか持たぬまま生き残った。
そんなアメリカでかろうじて子供レベルの教育を受けた若者ワタルは旅を続ける。
そしてなぜか知恵を失っていない少女ソフィアと出会い彼女の求める地ニューオーリンズへ向かうことになるのだが。
全ての知識を失った人間は第二の生・・・いや、どんな第二の精神的進化をするのか?
不思議な冒険物語。
インベーダー・サマー:夕笛市に白い服の少女が現れた。
そして、彼女を見た男は全て彼女に恋をし、切なさに胸を焦がす。
恋する思いは世界さえも変える・・・そして、世界は変わり始めていた・・・
だが、変わらない男もいた。天才剣士片桐学。彼が変われなかった理由は言うまでも無く。
そんなひと夏の謎物語。




『ダブルブリッドY』
中村恵理加 電撃文庫


読始5/29 読了5/30

コメント・・・
前の巻を読んだのは一年位前か(爆)
だがまぁそれほど問題は無かったかも。
あやかしと呼ばれる、いわゆる妖怪たち。
その中でも甲種指定された・・・まぁ、なんというか人間と折り合いをつけた妖怪たち。
彼ら相手に捕獲部隊や米軍との演習が南の島で行われようとしていた。
開幕にあやかし達が行うほのぼの鍋パーティーとは裏腹に、本筋はかなり暗い。
凄惨で血塗れなワリにはなぜかひきつける魅力がある。
なんというか・・・徹底的に「最悪」の達人?
とにかく悪い方向にばかり展開される。BADBADBAD
なんでこれが魅力的なのかね(爆)
不思議だが次が気になるという方向で面白かった。




『緑の底の底』
船戸与一 徳間文庫


読始5/30 読了6/1

コメント・・・
表題作とメビウスの刻の刻、の2本セット。
緑:ベネズエラの奥地、オリノコ河を逆上って逆上った所にいるという白いインディオ。
そのインディオを探すための探検隊に同行することになった日系二世の若者。
彼らはドイツ人奴隷の末裔と思われる白いインディオを見つけることが出来るのか?
っていうか、隊長の叔父、取材者(?)のキャシーはともかく残り三人の男はマトモじゃないように見えるんですが・・・
どうしても南半球を一段下に見てしまう日本人に衝撃インパクトを与える相変わらずな一本。
メビウス:一応叙述トリック系ミステリーらしい。
まぁタイトルや怪しげな文の流れからなんとなく隠されているものが見えてくるが。
こちらはマフィアの話に独立戦線のテロリスト達をキャラクターに加えたようなもの。
どっちもスッキリする話じゃないけど、緑の底の底の方が面白かったな。




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ゲームの伝道

MH2
へっぽこブログまで立てているワリにはあまり楽しいと感じない困ったちゃん。
何のためにプレイしてるんですかぁ(爆)