九月前期

『麦屋町昼下がり』『蝦夷地別件(上)』『蝦夷地別件(中)』
『蝦夷地別件(下)』『人工憑霊蠱猫01』


『麦屋町昼下がり』
藤沢周平 文春文庫


読始9/1 読了9/2

コメント・・・
江戸小説短篇4本立て。
どの話もイマイチさわやかさが足りなくて、どんよりしているため面白みを感じにくい。
イキオイを好む拙者には合わなかったな。
そんなことより本に蝋が垂れていた理由が気になる(爆)
蝋燭片手に読んだとでも言うのか?時代物だから?
なんにしても図書館の本をヘンな風に汚すなよ、と。
コレはイマイチ気にいらなかったけど、前に読んだ用心棒の続きは読んでみたいと思ってる。




『蝦夷地別件(上)』
船戸与一 新潮文庫


読始9/2 読了9/9

コメント・・・
図書館に行くのが面倒な割には本を読む時間が増えたので厚くて読み終わらなさそうなものを選んだ(爆)
そして、登場人物紹介のページで「げぇっ!?」と圧倒される。
日本人、アイヌ人、ロシア人、ポーランド人。一体どんな話になるんだよ、って。
舞台は江戸中期、松前藩がアイヌから激しく搾取している蝦夷。
うーむ、美しくない時代だ。好みじゃない。心情としてはアイヌとともに蜂起したい。
とりあえず、まだ各キャラの顔見せ段階でこれといった盛り上がりは感じない。
文章中の、漢字にアイヌ語のルビが付いたり、ポーランドのルビが付いたりするのは不思議感かも。




『蝦夷地別件(中)』
船戸与一 新潮文庫


読始9/9 読了9/12

コメント・・・
だんだんと蝦夷の和人に対する反感は高まっていく。
そして、それを煽ろうとする謎の侍。
塩鮭150匹で米8升という極悪な取引をしていた飛騨屋の番人らが殺されていくのを高みから見下ろす葛西政信。
祖国ポーランドを守るためにロシアを南下させようとせずに極東へ目を向けさせようと走り回るポーランド貴族マホウスキ。
父らに次の時代を生きるように、この戦争を見届けるように命令された蝦夷少年ハルナフリ。
蝦夷に養生所を開き、溶け込もうとする僧侶洗元。
一体時代は何を求めているのか・・・
さてさて、和人に戦を仕掛けようとするアイヌとそうしないアイヌの間がこじれてきましたよ?
確たる敵がいるというのに身内同士で争う愚かさに同情心が急速低下。
むしろアイヌを全滅させるほうに力を貸したくなってきました(爆)
弱いものには味方したくなるけど、それ以上に愚か者は滅されるべきかと・・・




『蝦夷地別件(下)』
船戸与一 新潮文庫


読始9/12 読了9/14

コメント・・・
話が進んでいるのかどうか微妙なテンポで最終巻に突入。
蝦夷の反乱に対してついに松前藩は鎮撫軍を送り込むことにした。
が・・・なんと、戦争は起こらなかったのだ。
松前に協力することで力を得ようとする者。
アイヌに無駄な死者を出すまいと戦を止めた者。
そして。
全三巻6章の作品の6章目だけがいつもの船戸与一っぽいかな。
前5章は壮大なプロローグなのかもしれない。
全体評価は微妙。
やはり、起きると思った戦争が起きないというのがね。
なんのためにココまで引っ張ったのさ、と騙され感が強い。
歴史を知らなさすぎか?(笑)




『蠱猫 人工憑霊蠱猫01
化野燐 講談社ノベルス


読始9/14 読了9/17

コメント・・・
オカルト伝奇。
美袋学園都市。その裏側では妄想を現実化させる研究・・・
手っ取り早く言えば、魔法の研究がされていたってことになるのかな。
積極的に利用しようとする有鬼派。技術を闇に沈めようとする無鬼派。
その争いに巻き込まれるように一人の女性が。一人の青年が。
というわけで一巻は準備段階、顔出し程度と、いまいちパワーが足りない。
特に、前半女性が猫力を得たところまでは盛り上がったのに、突然場面転換青年モードに入ってしまい肩透かしを食らった気分。
続きはどうするかな・・・




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