十月後期

『極限推理コロシアム』『陰陽師鬼一法眼,5』『妖怪といわれた男』
『ロスト・メビウス』『カオス レギオン』『バスカビル家の犬』
『ブロークン・フィスト,3』

『極限推理コロシアム』
矢野龍王 講談社ノベルス


読始10/16 読了10/17

コメント・・・
30回メフィスト賞受賞作。
謎の館にいつの間にか閉じ込められた7人。
中にいる殺人者を割り出して、コンピューターに打ち込まないと脱出できないと言うゲームらしい。
しかも、同じ状況にあるもう一つの館との推理競争である。
相手が先に正解に到達すると負けた方は殺されるのだ。
一人ずつ殺される状況に7人は結束するどころかバラバラに。
なにしろ中に殺人者がいると言うのだから当然かもしれない。
ま、そんな極限状態なのはいいんだけど・・・
トリックはたいしたことなかったな。
館の仕掛けは予想内だったし。ただ、犯人が<−>だと思っていたのはハズレか・・・。




『陰陽師鬼一法眼 鬼女之巻』
藤木稟 カッパノベルス


読始10/17 読了10/18

コメント・・・
なんというか、まぁ、不思議な話だな(笑)
鬼一法眼は特に何もしない。
鎌倉時代の歴史物語に少々のオカルト要素をふりかけたようなお話。
鎌倉に恨みを持つものたちの呪いによって幕府がボロボロになっていく。
鬼一法眼が霊異と派手に戦うような話ではないけど、まぁ、歴史探求と言うことでほどほどに楽しんでいる。




『妖怪といわれた男 鳥居耀蔵』
童門冬二 小学館


読始10/18 読了10/21

コメント・・・
耀蔵で甲斐守だったから、妖怪(笑)
老中水野忠邦の天保の改革を援護するために全力で働いた男。
意外なことに(?)江戸時代が明治に入ったときまで生きてたんだね。全然知らなかった。
父親譲りの朱子学の盲目的信者で「小善は大悪に似て、大善は非情に似たり」という言葉を拠り所として徹底的な弾圧を続けた男である。
真っ直ぐな気性ではあるが、ずいぶんと狭量でもあり、北町奉行遠山の金さんを憎み続けたとか。
全体的に見て、良い感じを受ける人物では無いわなぁ。
彼の押す改革が成功していたら、幕府は倒れず、日本はチョンマゲの国だったかもしれないと思うとそれはそれで面白いかもしれないと思うが。
人心掌握の出来ない人物による改革ってのは、基本的に無理だな。




『ブギーポップ・バウンディング
ロスト・メビウス』
上遠野浩平 電撃文庫


読始10/21 読了10/22

コメント・・・
シリーズが長すぎて誰が誰だか全然分からないのが難点だ(爆)
旧作を読み返す時間も無いしね。
さて、今回はできそこないの合成人間と彼女の周りにいればブギーポップと戦うことが出来そうな気がする、と付きまとっている強力な合成人間のコンビが変な世界に入り込んでしまうお話。
と、書いた時点で全てが止まった(笑)
いや、それだけだし(爆)
その世界、人の心の傷(?)から爆弾を作り出す世界とか、そこから抜け出そうとする二人とか、少しは盛り上がりそうな気もするけど、でもそんなことは全然無くて・・・
なんか、終わってた。
この世界のお話は少しずつ終わりに向かっているみたいだけどね。
世界の敵、というべき異能力者。それを排除したり仲間として組み込んだりする統和機構。
世界の敵の敵、自動的に現れて、殺すだけのブギーポップ。
何がどうなるのか分からないけど、このお話はもっと分からないや(爆)




『カオス レギオン 聖戦魔軍篇』
冲方丁 富士見ファンタジア文庫


読始10/23 読了10/26

コメント・・・
カプコンから発売されたPS2用アクションゲームのノベライズ。
・・・と思ったら、この作品が書かれているうちにゲームの製作が始まったらしい。
カオスレギオンの世界作ったの誰だよ(笑)
ちなみにゲーム自体はイマイチ面白くないと言うか、手ごたえがなさ過ぎて燃えない。
今ならまぁ新品が980↓で買えるはずだ。
それはそれとして、小説はどうか。
微妙、かもしれない。
とりあえず、マンガか映像にしたらカッコよくなりそうなプロローグだが、文章だとなんだか鬱陶しいと言うかもどかしいと言うか盛り上がらないと言うか・・・
ぶっちゃけ別作品で冲方丁の信頼度を高めておかないと投げ出したくなってくる。
本編は、何かとんでもないことをやらかそうとしている友人と、それを止めようとする主人公の追いかけっこ。
主人公ジークはシャベルをかついだ一人の騎士。死者を埋葬し、彼らの声を聞く。
そして、戦場で死んだ者の怨念から魔兵を作り出し、発散させることで天に導く。
かつての仲間であり友人であり、仕えたかった男ドラクロワを追い続ける。
時おり、少年向けということを意識しすぎた(?)ような文章になるような気がするが、まぁそれなりに満足した。
というかもう一度ゲームをしてみようかなという気分になった。




『バスカビル家の犬』
原作:コナン・ドイル 翻案:大沢在昌 講談社文庫


読始10/26 読了10/30

コメント・・・
なんとなく、ホームズを読んでみたくなって手に取る。
翻案モノということで、大成功だったと思われる菊地秀行のドラキュラという前例が在ったし。
まぁ、翻案とか言われたってモトのバスカビルの細部など覚えていませんが。
英国中部の荒野にあるバスカビル家の館。
死んだ先代を殺したのは呪いの魔犬?
とりあえず、それなりに面白かった。そして大沢式のオリジナル要素らしきものは感じなかった。
さらにさらに、魔犬の正体を記憶していたらしく、なんのインパクトもなかった(爆)




『ブロークン・フィスト,3
風に躍る宿命の調べ』
深見真 富士見ミステリー文庫


読始10/30 読了11/1

コメント・・・
格闘型推理(?)小説の第三弾。
殺人拳を使う少年と、空手少女の行く先でまた起こる殺人劇。
まぁ・・・ネタ度が強いか。
トリックは格闘技の奥義にあり!(笑)
だがむしろそれ以外の部分に力が入り始め、謎の殺人組織との闘いになる気配。
だらだらと付き合ってみようとは思う。
つまらないわけじゃあないし。




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