七月後期

『魔王ヴァーラの物語』『真拳勝負!』『夏の夜会』
『火雷天神大戦』『ブルー・ソルジャー完結篇』『両性具有迷宮』
『バラ迷宮』『だって買っちゃったんだもん!』『ブギーポップ・リターンズ』
『強奪!エプロン刑事』『創竜伝,6』『刺客列伝』
『秘剣 埋火』


『魔王ヴァーラの物語』
秋津透 角川書店


読始7/16 読了7/16

コメント・・・
別にヴァーラは魔王でもなんでも無かったと言うワナ。
ごく普通の人間の王子。ただちょっと蛮族の血が流れてる。
しかし、そのおかげというか、戦争に向かえば連戦連勝、無敵の戦士。
だが、それだけに邪魔な存在でもあった。都合により国から追い出された彼は、1人の従者と1人の巫女を連れて旅立つのであった。
短くて物足りない感じもするけど、長編だと締めそこなう人だからコレで良し。
でも秘技たる、ふりがな術が全然使われていないのでサミシイ。




『真拳勝負!』
松谷雅志 ソノラマ文庫


読始7/16 読了7/17

コメント・・・
バカみたいな文章が鼻につくが、単純バカな主人公の一人称が基本なので、それはそれで効果的か?
ちなみに中身は、バビル二世(爆)
突然、手から雷を放って驚く主人公、電光寺数馬。拳法の師匠。悪いスナフキン。ライバルの風早涼一。
命がけで戦ってアハハと笑う。
まぁ、最近のアニメで言えば、スクライドの最終回みたいなもんだな。
悪くは無いけど、お薦めするほどではない。




『夏の夜会』
西澤保彦 カッパノベルス


読始7/17 読了7/18

コメント・・・
ホラーです(爆)
記憶ネタは、浦賀和宏の頭蓋骨の中の楽園とか、京極夏彦の塗仏とかがあったと思うけど、まぁ同族。
友人の結婚式に出かけていって、彼が出会ったのは小学生の頃の同級生だった。
話に興が乗って、昔起きた殺人事件のことで盛り上がる。
30年前の記憶を掘り起こしながらいろいろと推理を重ねる彼ら。
だが、その「記憶」が彼らの主観によって歪められた「妄想」に過ぎなかったとき、何が真実なのかわからなくなっていく・・・
なんというか、読むと自分の記憶と言うものがなんなのかわからなくなっていくホラーなんですよ。
面白かったけど、この絵、なに?40代のキャラクターを描いた絵には見えないよ?かといって彼らの思い出に出てくる小学生時代の彼らでもないし。スゲー雰囲気ぶち壊し。




『火雷天神大戦』
大林憲司 ハルキノベルス


読始7/18 読了7/19

コメント・・・
面白くないのが面白い。と、わざわざややこしい言い方をする。
大宰府に流され無念の死を迎えた菅原道真は、最後に大自在天の真言を唱え力を得た。
自分を追いやった藤原時平に復讐するためにっ!
しかし、天魔の力を得た彼の邪魔をすべく、もと師匠の天台座主・尊意らが立ち向かう。
なにしろ濡れ衣を着せられた道真に同情すること必死。
それに対し、時平を守ってどないすんねン。というもどかしさが面白さ。
だが、魔に憑かれた道真は・・・
と、いうわけで妖力と仏力がぶつかり合う霊能バトル勃発。
市井の貧乏人を救うために、市聖の良順がガンバル。
熱かったり感動したりする、なかなかイイ話。




『蒼き影のリリス ブルー・ソルジャー 完結篇』
菊地秀行 Cノベルス


読始7/19 読了7/20

コメント・・・
今さらブルーソルジャーとか言われても全然覚えてないよ(爆)
つーか、どうしても主人公の名前が覚えられない。秋月・・・なんだったかな。
吸血鬼の中でも最強の力を持っているであろう彼は、記憶喪失のためその力をたいして発揮することもない。
そして、盲目の吸血鬼リリス。不死身の傭兵ブルーソルジャーことバイロン。
女のために彼等は戦う。
しかし、吸血鬼モノにしてはあまりにも血を吸わなさ過ぎるシリーズだよなぁ。
秋月にしてもリリスにしても自制心がバカ強い。D以上(笑)
油断するとコイツラの正体を忘れてしまうワナもあるが、まぁ良し。




『両性具有迷宮』
西澤保彦 双葉社


読始7/20 読了7/22

コメント・・・
拙者は、嫌いだな。なつこシリーズ。
エロくないレズシーンと、アホなストーリー。そして、底の浅いミステリー?
展開がショボイだけに、なつこのお嬢しゃべりが鼻につく。
犯人は初めから読めてたし、動機も99%計算どおりだったし、ぬるすぎ。
西澤全読破を目指さないなら読まなくていいね。




『バラ迷宮』
二階堂黎人 講談社文庫


読始7/22 読了7/24

コメント・・・
二階堂蘭子の短編集その2。6つの事件が待っている。
サーカスの怪人・変装の家・喰顔鬼・ある蒐集家の死・火炎の魔・薔薇の家の殺人。
どんな事件も蘭子にかかれば一発解決だ。
しかし、栗毛の縦ロール美人って、どんな感じなのか全くイメージできない(笑)
殺人現場以上に想像しにくい主人公の姿って一体・・・
まぁ、なかなかイイ作品。




『〜借金女王のビンボー日記U〜
だって買っちゃったんだもん!』
中村うさぎ 角川書店


読始7/24 読了7/25

コメント・・・
コレを読んで・・・中村うさぎが、バカだということがわかった(爆)
30過ぎて貯金が98円になるほど無駄遣いしまくるという恐ろしいオバサン。
カードの引き落としも月々240万とか言って、そんなに稼いでいるのか?
そんな恐怖のエッセイ。反面教科書としてお薦め(笑)




『ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーターPart2』
上遠野浩平 電撃文庫


読始7/25 読了7/25

コメント・・・
当然、前回の続き。
イマジネーターと統和機構とブギーポップの三つ巴戦・・・
と言いたいところだが、統和機構のエージェント、スプーキーEが一人で両方にけんかを売る話だな。
なんと言うのかな、強い心と弱い心が書かれている、って感じか。
お約束に展開するので安定感はあるな。
しかし、ザッピング効果はあまり感じられなかったワナ。




『ショットガン刑事,2 強奪!エプロン刑事。』
秋口ぎぐる 富士見ミステリー文庫


読始7/26 読了7/27

コメント・・・
問答無用で散弾銃(モデルガン)を撃ちまくる、北摂高校刑事部、宇野辺虎雄の物語。
モデルガンとはいえ人をぶっ飛ばしKOするだけの破壊力があるショットガン。
それを乱射する虎雄は、あまりにも乱暴過ぎて前作では不評もあったが(笑)
周りの人間のDQNっぷりが強くなったせいか、今回は同じ暴れっぷりもそれほど気にならない。
タイトルのエプロン刑事は、丸裸のまるだし刑事の妹で、全裸に純白エプロンという格好だ(爆)
まるだしも大活躍。虎雄以上か?
ただ、富士見ミステリなだけに、ダメ感も漂う(爆)
つーか、全てのネタが最初からばらされていて1ミリグラムもミステリになってないYO!
笑えるという意味では面白いので、読むも良し。




『創竜伝,6』
田中芳樹 講談社ノベルス


読始7/27 読了7/28

コメント・・・
アメリカ編。
4巻で竜の姿となって堂々とアメリカに密入国した彼等はインディアンのコミュニティーで野性的な暮らしをしていた。
そんな四兄弟を捕らえるために襲い掛かる、タウンゼント率いる超能力集団。
その頃、茉理ちゃんと愉快な仲間たちはランバート・クラークに丸め込まれざるを得ない状況に追い詰められていた。
サンフランシスコのチャイナタウンに潜む竜堂兄弟に差し向けられた米軍との熱いバトル。
問答無用の大活劇だ。
問答無用すぎて続も終も数百人の命を奪っているが・・・いいのか?(笑)




『刺客列伝』
伴野朗 集英社文庫


読始7/28 読了7/30

コメント・・・
刺客・・・今ひとつ心燃えない言葉だ。
暗殺、それは場合によれば必要ではあるが、行為そのものはなかなか美しくない。
たいがい、悪の支配者の方が利用する作戦だしね。
だが、この作品に登場する刺客は、あまりにもカッコイイ。ときどきバカ・・・
「自分」を認めてくれた主人のために一命をなげうって標的を討ち果たす。
もちろん失敗するものもいる。だが、彼等もまた精一杯やったという満足感を抱いたまま討ち果たされる。
標的に信用されるために妻と子を焼き殺してもらった者もいる。
頼まれたわけでもなく、友の仇を討ちに行くものもいる。
彼等の苦しい心に胸打たれる、名作。




『秘剣 埋火』
戸部新十郎 徳間書店


読始7/31 読了8/1

コメント・・・
読むと奥義を手に入れられる秘剣シリーズ(笑)
ただ、政治に食い込みたがった江戸柳生が悪っぽく書いてあるので影響されやすい人は注意。
そういう拙者は、柳生が他流派にやられると嬉しくなります(爆)
もうすっかり染まっているようで。
表題作の埋火は、表面上は冷めたように見えてもその奥では熱い炎が燃えている、といった心構えであり。
また、ふ、と沈み、下段突きを打ち込む秘太刀でもある。
侍の生き様が、カッコイイです。




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