七月後期
『宇宙神の不思議』・『魔法戦士リウイ,7』・『魔法戦士リウイ,8』
『王妃の館 上』・『王妃の館 下』・『シルヴィバン』
『シェリフスターズSS,3』・『屍凶街』・『妖藩記』
『吉原御免状』
『宇宙神の不思議』
二階堂黎人 角川書店
読始7/18 読了7/21
コメント・・・
アホっぽい表紙にシビレた(笑)
あからさまにイカサマSFっぽいボディスーツの二人は、ヤマトの古代と森雪に見えなくも無い。
しかし・・・この話は水乃沙杜瑠シリーズであり、まだ読んでいない「奇跡島」の後の話だったのだ(爆)
ま、いいか。
沙杜瑠の友人、武田紫苑の彼女である小川宣子。
孤児院に入る前の記憶を失っていた彼女が催眠療法を受けたとき、宇宙人に誘拐されていたという恐るべき事実(?)が判明した。
手広く、手堅く、善意の重装甲で身を固めている、宇宙人を神と崇める謎の宗教「天人神の会」はこの事件に何か関わりがあるのだろうか?
大学生時代の水乃沙杜瑠が、サークルの先輩らの生暖かい協力を受けつつ事件の謎に挑む!
最後まで読めば、納得いくかどうかはともかく、ものすごいオチが待っている。
『魔法戦士リウイ,7』
水野良 富士見ファンタジア文庫
読始7/22 読了7/22
コメント・・・
ジーニ編,2
大柄な女剣士ジーニ。盗賊のミレルとともに、神の啓示を受けた僧侶のメリッサにつきあって、筋肉バカのリウイとパーティを組んでいる。
まぁ、男と女が一緒にいれば、好き嫌いはともかくとして気になる存在にはなるわけで。
特にジーニの場合は、剣の弟子として育つリウイを好もしいと思うところから愛に転ぶ可能性はあるわけで。
とりあえず、そんな微妙な関係の連中が冒険をする短編4話詰め。
で、最後には、3人を牽制するために、リウイの幼馴染のアイラが告白する方向に話が進むんだが。
これといって芸の無いヘッポコラブコメ。
『魔法戦士リウイ,8』
水野良 富士見ファンタジア文庫
読始7/22 読了7/22
コメント・・・
さて、アイラの牽制にどう対応して良いのかわからずカリカリしはじめる3人。
そろそろ自分がリウイに好意を持っていることを気付いてはいるのだが・・・だが・・・だが?
なにかズレ始めたパーティ。
そこに現われた戦の神マイリーの最高司祭ジェニ様から一つのクエストを受ける。
何でも思いがかなうという、あるいは欲望の暴走する『夢の都』の攻略。
さしあたってはジェニが失敗したという、駆け落ちしたカップルの救出だ。
が・・・
現実世界では手を繋いだまま眠っていたカップルは、夢の中では別々に暮らしていた(笑)
ハーレムの中で肥える男。毎度毎度違う男が訪れるロマンスな家に住む女。
そんな二人を見て、彼女等はリウイとの「愛」について何を思うのか?
これといって芸の無いヘッポコラブコメ。
『王妃の館 上』
浅田次郎 集英社
読始7/22 読了7/23
コメント・・・
王妃の館、ってのがいかなる建築物なのか分からなかったんで読むのが不安だったのだが・・・
ホ テ ル かよ。と、いうことはプリズンなホテルのように楽しませてくれるはず!
さて、300年の歴史を誇る超高級ホテル、シャトー・ドゥ・ラ・レーヌすなわち王妃の館。
偶然キャンセルで空いた穴をもぎ取ったパン・ワールド・ツアーは、社の生き残りをかけた大博打に出る。
それは、一つの部屋に二組の宿泊客を泊めようと言うものだった。
10日間150万の[光]ツアーの客。10日間20万の[影]ツアーの客。
影ツアーの人たちは、光ツアーの人が外に出かけている間だけ、王妃の館のゴージャスなスウィートルームを満喫できます(笑)
そして、夜はワインセラーを改装したという部屋でお休みになります。
そんな綱渡りな話もいいんだけど、参加客の誰も彼も少しずつ歪んだ心が、ちょうどジグソーパズルみたいに繋がって補完し合う(かもしれない)展開が楽しみなわけですよ。
とりあえず、「サタンの仕業」と「それに耐えた偉大な人々」で死ぬほど笑いましたが。
『王妃の館 下』
浅田次郎 集英社
読始7/23 読了7/25
コメント・・・
ストーリーは彼らのツアーと、300年前のルイ14世の物語が交互に語られる。
まぁ、見た事も無い風景をこまごま語られるよりも、こっちの方がかえってフランス情緒が感じられるな。
しかし、過去・現在の両方同時にストーリーはクライマックスに達するため、お預けを喰らってるほうのストーリーが気になって落ち着かないというワナ(爆)
太陽王と呼ばれた華麗なるルイ14世の話。1人残らずちょっぴり歪んだ気持ちでツアーに参加している日本人たちの話。
面白かった。
プティ・ルイの歌を歌いながらヴォージュ広場に人々が集まってくるシーンは堪らん。
ただ、日本人グループのオチは駆け足すぎて感動は無かったな。
むしろ前半の個別組み合わせの方が良し。それとも・・・ここは笑顔で喜ぶところなのか?
『魔界都市鬼録 シルヴィバン―生存者―』
菊地秀行 ジョイノベルス
読始7/25 読了7/25
コメント・・・
シルヴィバン―生存者―、というタイトルはイマイチよくわからない(爆)
とりあえず、今回の話の中心にいるのは、物理攻撃が効かないように作られた心霊兵士、柴城三郎。
彼を追って米軍ウルトラソルジャーが暴れ回る。
なんで日本人が米軍の秘密兵器として改造されたのかは非常に疑問だが(笑)
彼を作ったのは、あの、アッシャー家の者であり・・・
ごめん、アッシャー家読んで無いから良く分からん(爆)
まぁ、コレといって盛り上がることもなく。所詮は魔界都市鬼録=記録。
ある日の出来事を書いただけ、って感じかな。
世界と戦えるほどの無敵性を持った男がフラフラと戦うのが「出来事」で済まされてしまう街か・・・
いいね、新宿(笑)
『トラブルシューターシェリフスターズSS mission03』
神坂一 角川スニーカー文庫
読始7/25 読了7/26
コメント・・・
まぁ、相変わらずの、中級ギャグSF。今回も二編。
モーニングスターチームと鉱山を掘る話。メニィクローンと戦う話。
前半は8割ギャグの、軽いノリだけのお約束ストーリー。
後半は、9割シリアス。唯一の常識人を自認しているクール少女レティシアが、次から次へとミスをしでかし自己嫌悪に陥る話(爆)
気になるのは、そろそろシェリフスターズの無料お試しサービスは終ったのかな、と。
今までのネタであったソレについて今回何も書かれてないしね〜。
ま、いっか。特にお勧めはしない。
『屍凶街』
菊地秀行 幻冬舎ノベルス
読始7/26 読了7/27
コメント・・・
夜凶街に続く、新宿警察・屍刑四郎と吸血鬼・夜香がコンビを組む話。
と、いっても馴れ合うわけじゃなく、せいぜい同じ事件に同時に関わる・・・程度か。
おまけ的協力者は、セクシー美女の西鈴雅。妖魔を調教して使役する、調妖師、西氏の一族。
こんな危険な連中と戦わされるのは、なぜか不死身になって甦ったジャック・オーゼイユすなわち切り裂きジャックとフランク・トゥーランディすなわち早撃ちトゥーランディ。
・・・
ごめん。トゥーランディなんて聞いたこと無い(爆)
アメリカ南部の射殺魔らしいけど・・・
不死身の殺人鬼と、新宿の魔人との何度となく続く死闘。
さらに、新宿署の新署長とヤクザの癒着、チェコ第二の魔術士トンブ・ヌーレンブルグの誘拐などの要素も絡まり、話は盛り上がる。
まぁ、血飛沫舞う新宿をいつも通り楽しめ、ということで。
『妖藩記』
菊地秀行 カッパノベルス
読始7/28 読了7/29
コメント・・・
信州夕城藩。当然のように霊が出たり見えたり憑いたりする怪しい街。
その小藩の道場「神影館」ここの道場主、紫暮右近・左近を中心とした短編6本。
誰も姿を見たことが無い、謎の道場主紫暮右近。
大柄な肉体から馬鹿力を放つ紫暮左近。
厳しすぎる修行で道場生は少数精鋭。例えば第二話「サディスト同心」のメインである佐伯幸四郎。
サディストといっても別に罪も無い町人をひっ捕らえていたぶるような真似はしない(笑)
分かりやすく言うと「悪人は死ねよマヂで」って性格かな。
微妙に裕福なこの藩の裏を調べるために、こんな街に送り込まれる幕府の忍・・・
不幸なやつら・・・(爆)
『吉原御免状』
隆慶一郎 新潮文庫
読始7/29 読了8/2
コメント・・・
宮本武蔵に育てられた子供が25年の山ごもりを終え、江戸の、それも吉原に向かわされる。
というわけで、山育ちの純朴青年剣客松永誠一郎は吉原に到達。
この色町で何を見て何を感じるのか?
一応、裏柳生との剣劇もあるが、メインテーマは『吉原の真実』だ。
まぁ、それが真実なのか隆慶一郎だけの真実なのかは謎だけど。
それなりに面白いけど、一気に読むには随所に散りばめられた「当時の○○は・・・」という説明がうっとうしく感じられるな。
やっぱり、隆慶一郎の作品は週刊マンガ連載のペースで読む方がいいかも。
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欄外 ゲームの伝道