十二月前期
『我輩はカモである』・『我輩はカモじゃない』・『歓楽英雄(上)』
『金閣寺に密室』・『魔法戦士リウイ,0』・『幽剣抄 追跡者』
『歓楽英雄(中)』・『歓楽英雄(下)』
『我輩はカモである』
D.E.ウェストレイク 池央耿:訳 ミステリアス・プレス文庫
読始12/1 読了12/2
コメント・・・
フレッド・フィッチ。生まれてこのかたサギ師に騙され続けて20数年。
もぉ「生きててもしょうがないっしょ」って言いたくなるくらいのマヌケ男。
そんな彼の元に、全く面識のない叔父さんの遺産が30万ドルも舞い込んできた。
何かのワナか?と疑ったところで本当に金が手に入ってしまったのだから仕方がない。
しかし、遺産はワナではなかったが叔父さんは詐欺師だったらしい・・・
詐欺のカモであるフレッドに転がりこんだ詐欺師の遺産。
さらに、怪しげな連中が金に群がってきて・・・
フレッドは金を守りきれるのか!?
まぁ、とても面白いってことは無く、それなりに面白いってレベルか。
アメリカのギャグだから、少々流れが違うんだよね(笑)
『我輩はカモじゃない』
S.カミンスキー 田口俊樹:訳 文春文庫
読始12/3 読了12/5
コメント・・・
こちらは純粋ハードボイルド。
40代で腰痛持ちの私立探偵トビー・ピータースの元に舞い込んだ仕事は、映画俳優チコ・マルクスの身に覚えのないカジノの借金12万ドルをなんとかすれ、というもの。
とりあえずそのスジに話をつけるということで、アルカトラズから出てきた半ボケ状態のアル・カポネに会うことから始めた。
素人の拙者には全然分からなかったんだが、この本に出てくるキャラはほとんどが実在の人物らしい。
トビーと共に大活劇を繰り広げる謎のイギリス人(笑)イアン・フレミング氏は007の原作者だって言うし。
油断できない作品だ。巻末の10数ページに及ぶ解説をチェックしながら読んだ方が良いか?
それはそれとして、もう一度タイトルを見てみる。『我輩はカモじゃない』
タイトルはウソじゃない。ウソじゃないが誰を指してるのか全然分からない。
こんなんじゃ、この世の本のほとんどすべてに、このタイトルが通用してしまうではないか。
内容はソコソコだが、タイトルを見るとイヤンな気持ちになる(笑)
1900年代のアメリカ芸能に詳しい人向け。
『歓楽英雄(上) 文無し野郎の掟』
古龍 中田久美子:訳 歴史群像新書
読始12/5 読了12/6
コメント・・・
今までは先に進めば面白くなるかもしれない、と思いながら読むことが多かった古龍の本だけど。
コイツは初っ端から全開でブっとばしている。
富貴山荘に集まった変人の貧乏人たちが明るく楽しくその日暮らし(笑)
主人公の郭大路は、なかなかイイ男にして何でもこなす器用な男。だけど大路という名前の通りの大雑把な性格。ふと気付くと取り返しのつかないとんでもないボケをかまして人生大ピンチ!もちろんそんな性格なので武術の腕も今ひとつ。
富貴山荘という名のボロ屋の主人王動。この家唯一の家具、豪華寝台に日がな一日ゴーロゴロ。寝て寝て寝て寝たまま飯も食うし酒も飲む。ぐうたら大王だ。
七回死んだという燕七。全く体を洗わない汚れた若者。盗賊から金を盗るような事をしていたらしいが、謎。
林太平。貧弱美形だけど酒だけは強い。それなりに腕が立つようだが、謎。
彼らの謎の部分が今後のネタになるのだろうが、楽しみだ。うん。
『とんち探偵一休さん 金閣寺に密室』
鯨統一郎 ノンノベル
読始12/7 読了12/9
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その男は、大文字焼きの真実を探っていた。
そして、彼は、一休の晩年の愛人である森女に会い、話を聞くのであった。
なぜかその話は、金閣寺足利義満殺人事件が解決されるまで・・・なのであるが。
まぁ、面白く。
しかし、ついでというよりページ稼ぎにしか見えない、ほとんど常識レベルとでも言うべき一休さんの活躍などが書かれているのはいかがなものかと。
推理の理論にはナルホドと思わせる部分もあったけど、トリック的にはイマイチというかトンデモというかアホというか・・・(爆)
満足度は低め。
『魔法戦士リウイ,0』
水野良 富士見ファンタジア文庫
読始12/9 読了12/10
コメント・・・
0。ゼロだ。つまり1巻より前の話。ミレル・メリッサ・ジーニの3人娘の昔話。
コレといって見所は無い(爆)
ま、ジーニの絵が すごい 良かったという程度で。
『幽剣抄 追跡者』
菊地秀行 角川書店
読始12/10 読了12/12
コメント・・・
やっぱり時代劇+幽霊。という短編集。前作及び全ての話に繋がりは無いのでどこから読んでもいい。
面白いと言うべきかどうかは微妙だし、ホラーな恐さがあるかと言えばそれも違う。
雰囲気を楽しむ、って感じだね。
例えるなら・・・
紙一重で「向こう側」に行ってしまった感覚かな?
なんとなく先が気になって読んでしまう。
『坂の上の死体』なんてオチがバレバレなのにワクワクする上に感動までするさ。
『歓楽英雄(中) 賭けるものなし』
古龍 中田久美子:訳 歴史群像新書
読始12/12 読了12/13
コメント・・・
とりあえず林太平と王動の過去が語られる。
太平の回りを嗅ぎまわる怪しい連中を郭大路と燕七が追う!
なぜなら太平は大事な友達だから。
時期はずれの凧に動揺する王動。
あげくに、富貴山荘から大路たちを追い払う始末だ。
彼らは渋々と家を出て・・・そして、門の前に座り込んだ。
何か災いが来るのであれば一緒に受け止めるつもりだ。
なぜなら王動は大事な友達だから。
熱血青春友情物語、ってことになるのかな?(笑)
『歓楽英雄(下) さすらいの異郷』
古龍 中田久美子:訳 歴史群像新書
読始12/15 読了12/15
コメント・・・
全編を通じて鬱展開は無し。
たまに落ち込むキャラも出てくるけど、彼らの友情はそれを温かく包み、癒す。
サッパリと読みやすく、まぁ、軽すぎると言う意見もありますが、武侠小説に手をつけると言う意味ではこの作品はお薦めできる。
さて、ココに来てバレバレであった燕七の正体がようやく郭大路にもバレ、林太平の正体も語られる。
姿を消した燕七。必死に探す郭大路の前に立ちふさがる試練!
富貴山荘を取り囲む8つの天幕。
一体彼らの目的は!?
こんな感じで息もつかせぬ高速展開。
テーマは、『愛』だ(笑)
歓楽英雄。かなり満足した。
まぁ、このシリーズに欠点があるとすれば、サブタイトルが内容を無視しているというかそんな感じ。
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欄外 ゲームの伝道
スーパーロボット大戦αを始めた。
だが、油断するとハマりすぎてテレビを見る暇がなくなってしまう。
抑制、抑制・・・と。
・・・
全然止まりません。ピンチです。