二月前期
『鬼麿斬人剣』・『吹け、南の風,1』・『吹け、南の風,2』
『吹け、南の風,3』
『鬼麿斬人剣』
隆慶一郎 新潮社
読始2/2 読了2/5
コメント・・・
鬼麿・・・源清麿という稀代の刀鍛冶屋の弟子である。
アル中になって手の震えが止まらなくなった清麿は、ある日突然腹を切る。
職人が仕事が出来なくなれば死ぬしかないということか。
そんな彼が死ぬ前に言い残したのは、自分が旅先で金に困って止むを得ず打ってしまった数打ちの剣・・・要するに粗製濫造な出来損ないの剣を叩き折ってくれと。
鍛冶の腕はどうだか知らないが、独自の剣法を身に付けた鬼麿は尊敬する師匠の遺志を受け取り、師匠の駄作を打ち砕く旅に出るのであった。
だがその旅路には師匠の置き土産とも言うべき、伊賀忍軍の魔手が鬼麿を絡めとらんと待ち構えていた。
なんとも熱い、熱血道中物語。
特に、鬼麿の剣技が面白い。足を真横に開き、両こぶしをくっつけるように柄を握り、大上段を通り越して剣の峰が尻に当たるほど大きく振りかぶる。そして目を閉じ、剣の間合い・・・八尺以内に踏み込むもの全てを叩き斬るのだ。
剣劇シーンにはワクワクしましたよ。お勧め品。
『吹け、南の風,1 星戦の熾天使』
秋山完 ソノラマ文庫
読始2/5 読了2/9
コメント・・・
期待していた秋山完の新作(と言うには2年ほど遅いが・・・
しかし、期待だけしているわけではない(爆)
何しろ主人公(?)、ジルーネ・ワイバーお嬢様が好きになれない。
彼女は<連邦>の大統領の三女。連邦ってのは共和制だったはずなんだけどいつの間にやら大統領の任期が無限だったり子供が継いだりするようになってしまった独裁連邦。
ジルーネは十分に、いや、賢すぎる美少女14歳なわけだが、問題は生まれついての高慢傲慢下層の人間は踏み台道具消耗品としか見ない外道な性格かな。
そんな連邦に対抗するのはトランクウィル廃帝政体。
形ある国を持たない、宇宙船団や個人の集まり。政府すら作らず、政治はトランクウィルとは無関係な知識人、ビッグXと呼ばれる四人の賢者に外注している。
と、まぁ、こんな感じで登場人物紹介と舞台設定世界観説明で終わってしまっている。
お話としての面白さは皆無。
『吹け、南の風,2 星海の襲撃者』
秋山完 ソノラマ文庫
読始2/9 読了2/13
コメント・・・
秋山完初心者にはとてもお薦めできない。
1巻2巻と、ちっともまったく全然さっぱり話が進まない。
一応過去の作品との繋がりが蜘蛛の糸のような細さで、昔からの読者の気を引くものの、其処止まり。
コレで三巻がダメだったら泣けるっしょ。
『吹け、南の風,3 開戦への序章』
秋山完 ソノラマ文庫
読始2/13 読了2/18
コメント・・・
とりあえず、本の厚さだけは1,2巻を足したよりも上だ。
そして、まぁ、そこそこ面白かった・・・かもしれない。
かもしれない、というのは、もちろん、前1,2巻がさっぱりプーだった反動として、つまらないわけではないというレベルのものを相対的に面白く感じただけかもしれないからである。
他星を侵略したムエルト帝国。味をしめないように心臓に釘を刺すべく動き出したトランクウィル廃帝政体。トランクウィルの口出しを封じ、下っ端星系に戦争をさせ金を稼ごうとする最強組織『連邦』。
各々がそれなりのオチを見せてくれている。
ぶっちゃけ、1,2巻は無くても良かった。20〜30ページで収まるような話だし(笑)
秋山の素人に世界を説明するには、あまりにもつまらなすぎる1,2巻・・・
付いて来てくれるのが昔からのファンしか残らないなら、その説明はほとんど不要になるわけで。
いやぁ、困ったもんだ。
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欄外 ゲームの伝道
(・∀・)mmo! というゲームを始めた。
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