Quanさんの書評
HPはこちら Quanの乱読趣味の砦

「アルスラーン戦記10 妖雲群行」(角川文庫)田中芳樹

 出た、でた、デタ、deta、DETA、ついに出たー。祝!「アルスラーン戦記10 妖雲群行」発売!!
 92年に9がでて、ファンにとっては苦節の7年。もはや諦めてかけていた新刊がついにでました。何を置いても読まねばなりますまい。(購読前)
 ……ふう。面白かった。メインキャラ(アルスラーン、ナルサス、ダリューンあたり)の登場シーンが少ないとはいえ、その分魅力的な他のキャラ(脇役?いえいえそんな呼び方はふさわしくありません)が大活躍でした。特に、ヒルメスがふっきれて新たに野望を燃やしている様なんぞはみていて「ああ、続きが読めて本当に良かった」と思わされます。
 新キャラもええなあ。あれがアルスラーンとどう絡んでくるか、今後の展開が楽しみです。(楽しみにさせてください>田中先生)
 現在のところ唯一の短編「東方巡歴」を収録した「アルスラーン戦記読本」は来年一月刊行とのこと。それも楽しみですが、やはりそれ以上に11の刊行が楽しみです。(今度は一年かからずぐらいで出して欲しい。
評価☆☆☆☆☆

麻弥さんの書評
HPはこちら Books by 麻弥


●「アルスラーン戦記10 妖雲群行」田中芳樹[角川文庫](99/12/1)

「アルスラーン戦記」シリーズの最新刊がなんと7年ぶりに刊行。「出る」とは聞いていたけど、何度も発売日が延期されてたんで、まさか今年中、2000年前に出るとは思わなかったなあ。
話自体はこのあまりにも長い空白なんてなかったかのように続いていました。あまりにも久しぶりなんで、話を覚えているか心配でしたが、思ったよりも記憶に残ってるものですね。わりと脇のキャラ(?)でも「そうそう、あの人!!」って覚えてて。そういう感じのキャラ作りはうまい人だからなあ。
今回の話は、凪いだ状態というか、話全体に動きがなくて。キャラ同士の会話とか、楽しかったですがダリューンの出番、少なすぎ。寂しいぞ。
とりあえず、作者に望むのは1年に一冊でもいいからコンスタントに出して、ちゃんと完結させてほしい…だけかなあ。
このシリーズ、ペルシャ風の国・パルスを舞台にした戦記モノですが、キャラクターが生き生きしてて楽しいです。「銀河英雄伝説」ほど説教くさくないし、読みやすいのではないかと。一部はかなりおもしろいです。読んで損はないんですけど、なんせ刊行ペースがあまりに遅すぎるのがなあ…
最新刊を読んだあと、つい既刊の再読モードにはいってしまいました。


みはるさんの書評
HPはこちら みはるの小部屋


「妖雲群行 アルスラーン戦記I」(角川文庫) 田中芳樹

7年ぶりのシリーズ新刊。といっても、私が9巻を読んだのは99年でしたが、早くも内容を忘れていた・・。忘れていてもなんとか、意味は分かります。

このシリーズは、中世ペルシア風の「ヒロイック大河ロマン」でいいのかな?ファンタジーです。文章はちょっと堅めで、緻密に作られた世界がいい。「むかしこういうことがあった」とか、「このお話は後々尾ひれをつけて語り継がれてゆくのだ」のような、語り風の文章になっているところもあって、それがまた雰囲気を作っていていい。時々、ちょっと笑える会話があるのもいい。面白いです。

10巻は、ファランギースとアルフリードが活躍してますが・・・そんなところで話を切らないでよ!
ギーヴって・・・・・ヘンな奴。


戻る