麻弥さんの書評
●「ブギーポップは笑わない」上遠野浩平[電撃文庫](98/2/9)
第4回電撃ゲーム小説大賞受賞作。ある校則が厳しい高校。そこでは、女生徒の失踪が相次いでいた。学園に潜む怪物、そして世界を守るためにブギーポップは現れる……
材料自体はこの手の小説にありふれたものですが、その料理の仕方が見事で、とびきりおいしく仕上がっているのです。
ありふれた日常。そこからはじまって、少しずつベールがはがれていって、「向こう」の世界への通路が開かれるような、その境界的な感じがいいなあ、と。
話の構成の仕方と、キャラが抜群です。それに、この時期のさまざまな少年少女の微妙な心理をリアルに描かれています。あと、削ぎ落とした文章もいいです。
帯の裏の推薦文が簡潔にしてこの本の魅力を最大限に伝えていると思いますので、興味があったら本屋で手にとって、帯の裏をみてください。それで興味があれば読んでみて。
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