麻弥さんの書評
●「ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王」上遠野浩平[電撃文庫](99/2/9)
「ブギーポップ」シリーズ最新刊。
今度の話は、バレンタイン1日の出来事。「歪んだ」建物である「ムーンテンプル」の観覧イベントに参加した人たちは、「カスタード・パイ」の曲と共に異世界へと連れ込まれた……
話自体も、イラストも今までとは違った方向に向いてるような感じがします。シリーズ全体の変曲点というか。
今回はなんといっても、ブギーポップが最初から最後まで大活躍してたのには驚きました。シリーズ4作目にして初めて主人公らしかったというか。反面、凪の出番が少ないのが寂しかったですが(^ ^;)。
またしても前作までの登場人物がたくさんできてましたが、田中くんがなかなか思い出せなくて困りました。後半に差しかかったところでやっとわかりました。「ブギーポップは笑わない」にでてきた、弓道部の彼だったんですねー。終盤までに思い出せてよかった(^ ^;)。
あと、寺月恭一郎ってなんか記憶に残っているなあ、と思ったら「電撃hp」に載った短編に出てきてましたね。短編の方はなかなかいい感じなので、早く短編集としてでてくれないかなあ。
この話は、正直いって私と波長が少々ズレてるんですが、やっぱり買ってすぐに読みはじめて、イッキ読みをしてしまいました。
それにしてもこの世界って、石を投げたら超能力者か人造人間に当たりそうな気がするんですが(^ ^;)、ブギーポップはそれじゃ一体なんなんだろう??と思ってしまいました。今までの話であれば、まだ「ごく普通の人間」の範疇で済んだかもしれないけど、今回はねぇ…やはり彼も特殊な能力の持ち主であるということなのかなあ。いや、それだけでは終わらないんでしょうけど。
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