麻弥さんの書評
●「カーニバル 人類最後の事件」清涼院流水[講談社ノベルズ](99/6/3)
「カーニバル・イヴ 人類最大の事件」から1年半。
プロローグが300ページあって、当初は「カーニバル」本編は6冊位になるという話だったから、この程度の厚さになったのはまだよかったんでしょう、きっと。…でも850ページ、長かったです。…で、あと一冊「カーニバル・デイ」が残ってるんですよね、まだ。
JDCの爆破事件で始まった、「犯罪オリンピック」現象。不可能犯罪が秘密組織「RISE」によって引き起こされ、全人類の死者が増加しつつある世界。それにJDCの探偵たちをはじめとする、全世界の探偵が立ち向かっていくが…というか。怪しげな組織が観光地で変な事件を引き起こしたり、まあ色々と…って感じですか。
清涼院流水の本を、「ミステリ」として読んでる人がどの程度いるんだかわかりませんが、今回の内容は完全に「伝奇モノ」になってますよね。…かなり荒唐無稽だし。まあ、ここまできたら、○○○○○が空を飛ぼうと、○○○○が人間を襲おうと、もうどうでもいいやって感じになっちゃいます。
これを読んでて思ったのが、「車田正美のマンガみたい…」でした。それでいろんなシーンとかを車田マンガで想像したらちょっと楽しくなりました。
まあ、この変な世界に慣れた後半は、結構楽しめたかも。
ここまで広げた風呂敷きを、この作者は畳む気はあるんだろうか…
メタ的な仕掛けも、やりたいことはわかるんだけどねー、って感じでした。それはおいといても、あの二人称はちょっとねぇ…
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