八月前期

『エクスカリバー武芸帖』『狂骨の夢』『中国英傑伝(上)』
『中国英傑伝(下)』


『小次郎破妖録 エクスカリバー武芸帖』
葛西伸哉 電撃文庫


読始8/1 読了8/2

コメント・・・
佐々木小次郎。名前は有名だが、いろいろと謎の多い人物でもある。
紅顔の美少年剣士説から、実は目立ちたがり屋のジジイだったという説まで。
それはともかく、この作品の小次郎は美青年にして剣の使い手。タイトルにもあるように、エクスカリバーを物干し竿と呼んで振り回す。
両刃なので燕返しがしやすいのだよ。
武蔵と小次郎が西洋渡りのバケモノ相手に大立ち回り。
割合お約束系。
まぁ、西洋妖怪の名前が上手く漢字にハマってるということくらいしか見所なしか(爆)




『狂骨の夢』
京極夏彦 講談社文庫


読始8/2 読了8/9

コメント・・・
相変わらず分厚い(笑)
キャラ萌え系読者はちゃんと隅々まで読んでいるのだろうか?などと思ってしまう。
今回の事件は、骨の夢を見る女。骨の夢を見る男。逗子に浮かぶ怪奇の頭蓋骨。
様々な「骨」に踊らされる人たちの憑き物を落とすために京極堂が動き出す!
のは、最後の最後。
それまでは、どちらかといえばテンポの悪い冗長な話が何度も何度も繰り返されながら続く。
そのせいか、解決編を見て思うことは・・・
「知ってたさ」(爆)
何度も刷り込まれてるうちに、なんとなく答えがわかったような気になる。
そんなワケで「ヅガン!!」とくる衝撃は無かったな。



並列書評に飛ぶ
『中国英傑伝(上)』
海音寺潮五郎 文春文庫


読始8/10 読了8/14

コメント・・・
項羽と劉邦から始まり、呂氏のゴタゴタで漢王朝が滅びると、突然時代はさかのぼって斉の桓公の話になる。
名前はともかく、どんな人だったか、ってのはあまり知らないんだよね。だから本を借りてくるんだけど。
項羽と劉邦。ライバルって言われてるけど年は親子ほどにも離れている。若いのが、項羽ね。
劉邦はもともと農民の出。だから、三国志で劉備が高祖の末、なんて言うのは結局「農民でござい」ってのと変わらんわなぁ(笑)
そんな彼らに、田舎っぽい方言でしゃべらせているのがイイ感じ。
斉の桓公、ってのは・・・何をしたんだっけ(爆)
尊皇攘夷。周の王室を尊重し、夷狄をはらうこと。
尊皇攘夷は幕末なんぞよりも三千年も昔に作られた言葉さ。
桓公の死後、後継者争い勃発。
死骸は67日、二ヶ月もの間ほったらかしにされて、ウジが扉から流れ出したと言う。
これをどう思うかは人それぞれだがね。
死体は所詮死体。とはいえ・・・自分の葬式をしてもらえないほどに子供らに敬愛されて無いのはダメだな。




『中国英傑伝(下)』
海音寺潮五郎 文春文庫


読始8/14 読了8/16

コメント・・・
前回の続きとして、斉の桓公が滅びた後、晋から秦まで。
晋は文公。重耳と言った方が通りがいいか?
春秋の五覇というと上の2人にプラスして、研究者によっていろいろ三人。
興味深かったのは呉楚・呉越の辺りかな。
臥薪嘗胆とはいうが、臥薪の事実は無いらしい。それでも、部屋につるした肝を嘗めて口惜しさを忘れなかったと言うのは本当のようで、親の仇を忘れないと言う意味では当然と言うか、しつこいというか・・・
これをしたのが越王の勾践である。
そして、彼が呉王に送ったのが、あの西施である。
西施も、まぁ、傾国と言われるほどの美女ではあったらしいが、呉王が国を滅ぼすほどの愚行に至ったのはあくまでも彼を増長させるべく越王が企み続けた結果ともいえる。
その頃、斉の国から魯の国を守るべく孔子の弟子の子貢が、縦横家のように口先働きをする。
「今は力弱い国と戦うよりも、強い国と戦い国を一つにし、功多い将軍たちにも命を落としてもらい、王としての力を強めるべきです」ってな感じで、弱小国家の魯から目をそらさせたのだ。
本物の縦横家、蘇秦と張儀も最後に出てくる。




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