一月後期
『悪霊の館』・『秘剣 花車』・『スクラップド・プリンセス,3』
『聖なるヴァレリー』・『黒衣の武器商人』・『敵は海賊・不敵な休暇』
『ジャンクマン5,1』・『建売秘密基地中島家』・『かれはロボット』
『魔界医師メフィスト 夢盗人』・『魔獣学園』・『敵は海賊・海賊課の一日』
『悪霊の館』
二階堂黎人 立風書房
読始1/15 読了1/21
コメント・・・
二階堂蘭子シリーズ第4弾だが・・・重い。
本が重くて、内容が重くて、文体が重い。三重苦だ(爆)
だが、ねっとりと暗い雰囲気はミステリとして、とても良い。
最初の100ページばかりを読み進めば、あとは引きずられるようにハマれるだけの力はある。
悪霊館と呼ばれる洋館で巻き起こる殺人事件。
密室の真ん中には魔法陣と甲冑に囲まれた惨殺体が・・・
しかし、その事件はただの始まりでしかなかった、と。
出来るのかどうか確かめようの無い密室トリックに疑問は残るものの、まぁ良しか。
オカルティックな締めはいいのか悪いのか・・・
『秘剣 花車』
戸部新十郎 新潮社
読始1/16 読了1/22
コメント・・・
悪霊の館が重たくて持ち運びに不便なので、こちらは外出用(笑)
人も描くけど技を描く。それが『秘剣』シリーズだ! と思う。
読むだけで何かを会得したような気分になる短編が10本。
大捨・八寸・栴檀・花車・仏手・笹葉・玉光・音無・浮鳥・逆髪、と
ただ、相打ち剣もあるので真似したら、死にます(笑)
今回もやはり、あまり聞かない剣豪ばかり登場するのだが、こんな達人がいたとは知らなかった・・・と嘆息する。
技的には花車と音無がお気に入りかな。
『スクラップド・プリンセス,3 異端者たちに捧ぐ鎮魂歌』
榊一郎 富士見ファンタジア文庫
読始1/22 読了1/23
コメント・・・
廃棄王女。なんだか忘れたけど、将来世界を破滅させるような存在だったかな。
そんな運命を背負わされたパシフィカと、彼女の義理の兄姉シャノンとラクウェルの三人逃避行。
今回はなぜか、『廃棄王女』を中心とした妖しげな邪教集団とやらと出会うのであった。
水戸黄門などでおなじみのニセモノ話。
ついでに、これはこれで宗教のあり方を表現してはいるな、とか言ってみる。
展開はなかなか意外性があって良かったと思う。うむ。
並列書評に飛ぶ
『聖なるヴァレリー 神様にバックドロップ!』
鷹野良仁 角川スニーカー文庫
読始1/23 読了1/23
コメント・・・
フーーン。てな感じ。
ちゃんと一冊書き上げておめでとう、としか言いようがない。
転生した神様を求めて地球にやってきた宇宙人が、東京で暴れまくる話。
最終バトルなんか、もぉ、めんどくさくなって必死に原稿用紙を埋めただけなんじゃないか、って雰囲気あり。
数え切れないほどファンタジー小説が氾濫している中、わざわざこの本を選択する必要は無いと思うね。
ま、ある意味「書きさえすればオレにもチャンスが?」と作家志望の人間に期待を持たせる作品ともいえる。
ちなみに、神様にバックドロップ決めるシーンはありません!!!!
『黒衣の武器商人』
井上雅彦 富士見ファンタジア文庫
読始1/23 読了1/24
コメント・・・
笑うせぇるすまんとか、アウターゾーンとか、まぁそんな感じの。
使い方を誤ると自分が破滅する〜〜という危険なアイテムを売りつける男の短編・・・
を、三本書いたあとに、それらを包括する長編というワクを組み立てた、と。
BADENDを修正するような展開はどうかと思うが・・・
それはそれとして、当時ならともかく今の読者に読ませたら ( ゚д゚)ハァ? って言われそうナリ。
まぁ、一言で言えば古臭い、と。しゃーないけどね。
『敵は海賊・不敵な休暇』
神林長平 ハヤカワ文庫JA
読始1/24 読了1/25
コメント・・・
敵は海賊シリーズ第4巻。
今回は、海賊課の課長・・・とは言わないな。『チーフ』のバスターが休暇を取る話。
そして、チーフ代理にされたのが主人公グループのラテル,アプロ,ラジェンドラだ。
チーフの激務に追われるラテル。
なにしろ、宇宙海賊対策の海賊課だ。本部が夜だからといって現場も夜とは限らない。いや、事件は夜起こる方が多いのか(笑)
寝る間もなく働かされてゲッソリ。
そして、ラストはヨウメイとアプロの大立ち回り。
黒猫の残酷なる本性に無敵海賊ヨウメイもタジタジに・・・
スゴイぜ?
『ジャンクマン5,1 月都に乾杯!』
大場惑 ソノラマ文庫
読始1/25 読了1/27
コメント・・・
ジャンクマンチームとは、死人を無理矢理サイボーグ強化して生き返らせた、運がいいのか悪いのかちょっとばかり微妙な秘密部隊である。
顔が良くって頭のキレるジゴロ。筋肉オヤジのゴリラ。美女のサロメ。すばしっこい小僧ターボ。
この四人にもう一人加わることが決まった。
が、マフィア達も黙っちゃいない。妨害工作を仕掛けてくる。
なんだかまとまりの無いジャンクマンと、どこかマヌケなマフィアたちの多分まじめなバトル。
五人目の仲間、女子高生のコロンを加えて本格的な戦いが幕開くのであった。
『建売秘密基地 中島家』
太田忠司 幻冬舎文庫
読始1/28 読了1/28
コメント・・・
中島家は伊呂波家の伊呂波忍軍に狙われ始めた。
なぜか!!
だが、中島家を守るために或葉部党の忍者が立ち上がる。
忍者モノだが、別に忍術が飛び交うわけでもなく、科学力が決着をつけるというのがサムイかも。
なにしろ、バックにいるのはうちゅ・・・
イマイチ、引き付けるモノがないな。
『かれはロボット』
草上仁 ハヤカワ文庫JA
読始1/28 読了1/28
コメント・・・
軽いSFショート集。
今回は爆発的なネタは無かったな。
まぁ、普通レベルで楽しめる。
そーゆーこと。
『魔界医師メフィスト 夢盗人』
菊地秀行 講談社文庫
読始1/29 読了1/30
コメント・・・
新宿に、眠り続ける男がいた。魔震に夢を見せられる男。
それはそれとして(笑) 新宿では夢を奪われる事件が勃発していた。
夢を盗まれると、ときめかなくなる。世界から色がなくなったような感覚だとか。
夢を盗まれたのは夢の中の出来事だから、警察に行くよりもまずはメフィスト病院へ足を向けるわけだ。
今回は、メフィストは全然苦しんでなかったな。
その辺は朽葉刑事の役回りで(笑)
苦しむ代わりに美人の婦長さんを助手につけてもらったりしてヘラヘラしてみたり。
まぁ、そこそこ。せつらは出てきません。
『魔獣学園』
清水義範 ソノラマ文庫
読始1/31 読了1/31
コメント・・・
いつもの清水義範のアチャラカでスチャラカなギャグ小説とは全然違う、モロに菊地秀行系。
正直、作家名伏せられて読んだら、絶対菊秀だと思うね。
何もしないのに不幸が向こうから寄って来る体質の男。
そんな人間が教師になったら、とんでもない生徒が集まってくるのは必然。
ワケアリっぽい6人の生徒と1人の美人臨時教師の正体は!!
ドタバタ学園伝奇モノ、ってとこかぁ?
まぁ、面白いんじゃないか。
『敵は海賊・海賊課の一日』
神林長平 ハヤカワ文庫JA
読始1/31 読了2/1
コメント・・・
メンテナンス中に宇宙フリゲート艦ラジェンドラがはじき出したのは、黒猫型宇宙人アプロの誕生日が明日だ、ということだった。
それも、666歳の。
まぁ、その星の公転周期がどうなっているのかは分からないが、ラジェンドラがそう言うのなら、666回目なのだろう。
うかれるアプロに、ラテルもチーフも思わず「何かがヤバイ」と本能に響くものが有ったようだ。
結局チーフのケンドレッド=バスター=メイムが選択したのはラテルチーム(ラテル,アプロ,ラジェンドラ)を一日内勤に回して被害を外部に広げないようにすることだった(笑)
そして、まわされたのは海賊課・苦情処理係。
自分らの行動が市民達にどう見られているかその身で味わえ、というおまけ要素付き。
ラテルは色々と勉強になったようだが、その中にありえない電話がいくつか・・・
ただでは済まない一日が始まるのだった。
うん、ちょっと面倒な文章もあるけど、概ね面白いがね。
トップに戻りたい
リストに戻る
欄外 ゲームの伝道