十月後期
『魔界都市ブルース,8』・『ゲド戦記,3』・『ネシャン・サーガ,1』
『レンズマンシリーズ,1』・『冥王と獣のダンス』
『魔界都市ブルース,8 孤影の章』
菊地秀行 ノンノベル
読始10/16 読了10/19
コメント・・・
中編一本と、短編集。
魔界都市は相変わらず危険だけで構成されている。そんな街(笑)
そこでせんべい屋をしながら人探しもする男、秋せつら。
今回は、糸使いは非常に肩がこるという設定と一緒に、懇意のマッサージ師が登場。
だが、そのオバチャンが突然癌で亡くなった。
ついさっきまで元気だったのに?
たった数時間で人を殺す癌細胞を作った者は?オバチャンを殺したのは?
ってなんだかミステリっぽい書き方になってしまったがそういう話じゃない。
やっぱり毎度おなじみ、美形の秋せつらの生活を楽しむ小説ですな。
『ゲド戦記,V さいはての島へ』
アーシュラ・K・ル=グウィン 清水真砂子:訳 岩波書店
読始10/18 読了10/22
コメント・・・
ずいぶんと年は流れ、ゲドはローク島の魔法学校の校長的存在・大賢人としてあがめられていた。
だがそんなある日、エンラッドという国から王子が使いとしてやってきた。
なんでも南の方から魔法が失われてきている、と。
儀式の途中で自分の唱えている呪文の意味を忘れてしまう、まじない師や占い師。あるいは歌っている途中で歌詞を突然失ってしまう吟唱詩人。
言葉と名前が持つ力が次々と失われていく。
ゲドはエンラッドの王子アレンと共に多島海を跳びまわるのだ。
まぁ、なんというか、冒険モノとしては珍しいのかな?
少なくとも日本の小説って航海に次ぐ航海、って話はあんまりないんだよね。
ワリと新鮮だった。
『ネシャン・サーガ,T ヨナタンと伝説の杖』
ラルフ・イーザウ 酒寄進一:訳 あすなろ書房
読始10/22 読了10/24
コメント・・・
ネシャンと呼ばれる土地。親代わりのじいさんに育てられた少年ヨナタンは、ある日大きな穴に落っこちる。
そこでツチクイと言う化物に追い掛け回され・・・逃げ回った先で不思議な杖を見つける。
が・・・それはジョナサンという足の不自由な少年が見ていた夢だった?
夢は続く。ヨナタンは伝説の杖ハシェベトを裁きの司に返却する長い旅に出る事になるのだ。
だがある日、ヨナタンの旅が数日続いた後、目を覚ましたジョナサンは「こっちの世界」での数日分の記憶がスッポリ抜けていることに気付いて呆然とする。
夢を見るのが恐くなって眠らずにいようとするが・・・もちろん無駄な努力だ。
船旅に出たジョナサンは見習い船員のヨミ、通称ヨーと共に嵐の海に投げ出され、よりによって危険盛りだくさんの禁断の地に流れ着く。
危機また危機の連発。
とりあえず、この地を抜け切ったところで第一巻ENDだ。
『レンズマン・シリーズ,1 銀河パトロール隊』
E.E.スミス 小西宏:訳 創元推理文庫
読始10/24 読了10/31
コメント・・・
100万人の候補者の中から厳しい訓練の末に選ばれた者たち。
彼らはついに「レンズ」を受け取りレンズマンとして宇宙の平和を守るため、宇宙海賊ボスコーンと戦うのだ。
が・・・60年代の挿絵はなんなんでしょ(爆)
メルヘン系オシャレとでも言おうか(笑)
棒の先にカラフルな円が付いていて、まるで魔女っ子のバトンのようなアイテム。
それがすごい破壊力の「宇宙斧」だと言われてもポカーンとするしか無いワケで・・・
主席卒業生のキムボール・キニスン。彼の活躍が書かれるわけだが。
なかなかの迫力、と同時にアメリケーンな押し付けがましい正義。
たとえば、他種族をいびり殺してその恐怖を喰らう宇宙人がいた。
地球人の意識からすればとんだ悪党だが、そいつらを絶滅させることは是であるや否や。
これをあっさりやる辺りがアメリカテイストだよね・・・
良くも悪くもアメリカ的ではあるが、面白かった。うん。
このレンズマンの設定を理解した上で、もう一度古橋秀之のサムライ・レンズマンを読みたいな。
『冥王と獣のダンス』
上遠野浩平 電撃文庫
読始10/31 読了10/31
コメント・・・
宇宙進出を謎の存在「虚空牙」に邪魔され、資源不足により文明レベルが一気に低下した世界。
資源が宇宙を漂っちゃったらどうしようもないわいなぁ(笑)
群雄割拠の末、枢機軍と奇蹟軍の二派が力を持った。
リサイクルマシンによってかろうじて機械を使う枢機軍と、奇蹟と呼ばれる超能力を使う者達を陣営に組み込んでいる奇蹟軍。
だが、ある時、二人の強力な奇蹟使いが枢機軍に投降してくる。
トモル・アドという民間上がりの下士官を上官とすることだけを条件に。
枢機軍では重要視されていないのに、奇蹟軍では「山猫」というアダ名をつけて注目されている少年トモル。
そんな彼はこの間の戦で奇蹟軍の奇蹟使い、夢幻に一目惚れしていた・・・
そして、やっかい払いと言うか、腫れ物に触るようにと言うか、トモルは奇蹟使いと無人機械兵などを率いて辺境警備をするのであった。
まぁ、色々と詰まっていて面白いんだけど、ほとんど何も解決しないまま終るのが物足りないか。
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欄外 ゲームの伝道
ゲームセンターで微妙な人気のサムライスピリッツ零。
久しぶりにいろんなキャラに手を出したくなるゲームだな。