Quanさんの書評
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「異邦人 fusion」(集英社)西澤保彦

 西澤保彦新刊。ひさしぶりの単発ものSFミステリ。
 随分と難産だったらしい新刊……なんだけれど。私は「夏の夜会」の方が好きですね。まあSFミステリらしさ、というか、突飛さが何か足りない様な気が。過去に戻って、自分の父親の死をふせごうとする中年男の話なんですが、まあこの主人公の姉がレズビアンで、それが話に色々からんでくるんですが……このテーマの占める割合が大きすぎて、肝心の「SFミステリ」としての率が低い……もうちょっと「SFミステリ」したミステリが読みたかったです。面白くなかったわけじゃないんですが、「七回死んだ男」や「幻惑密室」を読んだときのようなオドロキ(カタカナのところがみそ)を求めたかったです、はい。
 次は角川のアンソロジーか……。
評価☆☆☆☆

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