殺し・ドラッグ・裏切り・カネ・・・この世のあらゆるアンダーグラウンドな部分が染みついている新宿・歌舞伎町、そこが舞台である。
主人公は、台湾と日本の半々(ハーフ)であり、日本人・高橋健一の顔と、台湾人・劉健一の顔を持ちながら、どちらにもなりきることの許されない男である。
歌舞伎町の台湾人のまとめ役の長老・楊偉民。精神異常のチンピラで、健一の元相棒・呉富春。呉富春に右腕を殺され激怒している上海勢力のボス・元成貴。
上海勢力に対抗する北京勢力のボス・崔虎。これら危険な人間関係の中、生と死の境ギリギリで生き抜いていく主人公。
毎日の平和な生活になれている僕にとって、実際、日本にこんな世界はあるのだろうか、と思ってしまうほど衝撃の一冊でした。また、全体的に短文で構成されていて
描写も細かく、リアルで、非常に読みやすく、久々に徹夜で読んでしまいました。日々の平和な暮らしに慣れた人にとっては、いい刺激となる一冊だと思います。
また、この本は、96年の週刊文春「傑作ミステリーベストテン」の第一位に選ばれた本なのだそうです。
さてと、次は、『不夜城』の続編『鎮魂歌』でも読もうっと。 |