「燃える」:深夜、自動販売機の前にたむろしていた5人の若者たち。その中の一人の頭が
突然燃えあがった。同時刻、ある少女が赤い糸を見たと言う。
「壊死る(くさる)」:高崎邦夫は自宅の浴槽で死体となって発見された。
奇妙なことに彼の心臓だけが完全に壊死していた。
以上のほか、「転写る(うつる)」「爆ぜる(はぜる)」「離脱る(ぬける)」の計5編からなる短編集。
理系出身の東野圭吾氏らしい推理小説だ。
警視庁捜査1課の草薙と、帝都大理工学部物理学科助教授の湯川のコンビが一応、この連作の主人公だが、いまひとつ
キャラクターがハッキリしていなかった。ストーリーも特別面白いという印象はなかったし、よくあるキャラ重視のミステリではなく、
これは科学的トリックが重視されているようだ。
科学的とはいえ文系の僕でも十分楽しめるし、長さも手ごろなので、気軽に読めると思います。
|