無類の推理小説好きのメンバーが集まり、いつものように会合を開いていた。その席上で、片城成こと”ナイルズ”は、メンバーの実名を
用いた推理小説を書くことを宣言する。そんな矢先メンバーの一員である曳間が何者かによって殺害された。しかも、その発見された現場は奇妙な
密室の様相を呈していた。そして、これが果てしのない連続殺人へと発展していくのであった。 これ一冊で、普通のミステリ4,5冊分くらいの内容が詰まっている。そう感じてしまうほど密室トリックや アリバイトリックなどが満載なのである。 本作は、ある特徴的な構成になっていて、そのためにあらすじが非常に書きにくい。感想文もどこまで内容に 触れて良いのか分からないくらいだ。全体的に、殺人事件−メンバー各人による推理合戦−殺人事件−メンバー各人による推理合戦・・・ という展開なのだが、これが読んでいて苦痛になってくる。メンバー各人は、大学で様々な学部に所属しており、 専門的な知識が豊富であり、その上専門以外のことも詳しいいわゆる”博学揃い”なのである。よって、彼らの会話は、 小難しい用語・理論に満ちていて無知に読者である僕にとっては、甚だ読みにくかった。おそらく、何回か読まないと 本書は理解できない、と同時に面白さも堪能できないのではないかと思う。 |