神薫さんの書評
『清涼院流水』
講談社
「秘密屋 赤」★
2冊同時刊行されたノベルスなため、どちらから先に読むのか少々迷った。「Wドライヴ院」などの、読む順序によって印象の変わる小説をものしている著者のだけあって、読者としてはそのへん気を遣うのだ。どうやら赤→白らしいが、作者あとがきでは独立した本としても読めるとのこと。これらは装丁が凝っていて、赤本の方は、赤いカバーに赤い天地&側面、白本は白いカバーに黒地となっている。
さて、本編である。巷に流布する都市伝説に興味を持った主人公が、素人調査をしていくうちに、共通項となる「秘密屋」というキーワードに突き当たる、それは一体?というお話。有名な都市伝説の一覧といった感じ(といっても、網羅しているわけでもない)なため、通り一遍の都市伝説を既に知っている身には少々退屈なのであった。
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