麻弥さんの書評
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●「鴉」麻耶雄嵩[幻冬舎ノベルズ](99/4/19)

1997年にハードカバーで出されて、結構評判だった作品のノベルズ化です。銘探偵・メルカトル鮎シリーズの一冊。
弟が死んだ。死の直前まで弟は行方をくらましていた。弟の足どりを追い、閉ざされた村に辿りついた兄。その村では「大鏡」という神が祭られ、「大鏡」の教えに従い、完全に外部とは接触を断たれた生活を送っていた。
村にたどり着いた兄は、鴉の群れに襲われる。そして起こる連続殺人事件……

驚いた。ちゃんとしたミステリじゃないですか〜。しかもデキがいい。この人って、なんか妙なミステリが多いから、これもそうかという先入観があったんですが……今回はちゃんと筋が通っているし、しかもちゃんと最後まで説明しているし、どうしたんだ一体。
ミステリとしては、閉ざされた村の雰囲気がよかったし、心理的トリックがなかなか見事でしたし、オススメ。
ただ、メルが今回はあんまり毒がキツくなかったのが残念だな〜。メルならもっと強烈なことをやってほしかったです。


みはるさんの書評
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8月1日 「鴉」(幻冬舎) 麻耶雄嵩

また幻想的な作品である。そしてまた、最後で、ええ〜!?と言ってしまう作品である。う〜ん、彼があれなのだとしたら、朝萩と、琢ちゃんの存在は何なんだろう。なんだか、スッキリしないものが残る。でも、メルカトルがいい!今回、性格の悪さがあまり出ていない。ま、ちょっと遊んでいるのか、という場面はあったけど。彼の過去も少し分かったことだし。最後に「任せておきなさい」と言っていたけれど、それからどうしたのか気になる。


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