七月前期
『十字街』・『カレイドスコープの少女』・『死神幻十郎』
『東の海神 西の滄海』・『鴉』・『リバティ・ランドの鐘』
『十字街』
久生十蘭 朝日文芸文庫
読始7/1 読了7/8
コメント・・・
十字街 = コンコルド広場。
フランスの大疑獄、スタヴィスキー事件に巻き込まれた運の悪い日本人の物語、とでも言おうか。
本来、裏表紙に書かれた「傑作冒険小説」ってのに引かれて読もうと思ったんだから期待はずれと言えば期待はずれだがね。
キャラクター自身に魅力が無かったし・・・
しかし、ラストまではワクワクさせてくれた。
までは = 否定の意。は、は、は、オチがイヤ〜ンだったのだよ。
出だしの、主人公1号が元日に地下鉄に乗って家に帰ろうとしたら、死体を酔っぱらいに偽装して運ぶ怪しげな二人組を見てしまった、というのは良かったんだけど・・・
最後に「あれは!?アレはどうなったの!!?」と、悲鳴を上げるは必定なり。
まぁ、実在の事件をモチーフにしているだけに勝手に解決を付けちゃまずいのかもしれないけど、さ。
どんな点数をつけたらいいのか悩むなぁ・・・
並 + テンポ良し、ってとこか。
『カレイドスコープの少女』
内藤渉 富士見ファンタジア文庫
読始7/8 読了7/9
コメント・・・
うーーーん。
ぶっちゃけるとさぁ、スクラップドプリンセスと同じじゃん、と。
そりゃあ、細部にいくらでも差はありますがね。
・・・っても、どっちが先だか正確に知らなかったりして
あっちが元気少女+兄姉というパーティなのに対して、こちらは頼りない男+(病弱少女=妖艶女性=ガサツ女=ノー天気お子様)+セバスチャン(笑)
ちょっとネタバレだった。
まぁ、佳作取ってるだけの面白さはありますが、引きつけられるほどのモノは・・・
並 − 後出し ってポイントをプレゼントしましょう。
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『死神幻十郎』
黒崎祐一郎 廣済堂文庫
読始7/9 読了7/10
コメント・・・
突然妙ちきりんな本に手を伸ばす(爆)
いや・・・実は拙者の持ちキャラに『死神三十郎』ってのが居るモンで、つい・・・
そして、裏表紙に、一度死んだ男が甦り・・・なんて書いてあったモンだから、てっきり菊地秀行か山田風太郎かと思ったが、さすがにそこまでファンタジーではなかった(爆)
さる仕事で阿片密輸の濡れ衣を着せられた男、神山源十郎は、すでに隠居した(させられた)松平定信に助けられ、彼の密偵として働くのだが・・・
という時代劇。
チャンバラあり、エロスあり。陰謀あり、エロスあり。
なかなか面白かったです。
何となく時代物が読みたい気分でしたら、どぉぞ。
『東の海神 西の滄海』
小野不由美 ホワイトハート
読始7/10 読了7/11
コメント・・・
何という間抜けな話だ・・・
いや、ストーリーじゃなくて、拙者がこの本を読もうと思った顛末が、ね。
実は、十二国記は色々出てるから、十二国記じゃない、なんか単品で読める作品は〜、とね。
そしたら、ドコにも十二国記のラベルがないこの本が見つかったのに・・・
帰ってページめくったらいきなり『十二国地図』なんてのが出てきて、ザ・眩暈(爆)
あとがき読んだら、正式なシリーズ名は無いとか言ってるんですけどぉ・・・
まぁ、別の話とリンクしている様子はなかったからいいんだけどね。
この国では麒麟が王を選んで連れて来るという。王は不老不死となり善政を敷いているうちは永遠に生き続ける・・・
問題は麒麟が選んだ王がナンボのモンか、って事なんだけど。
主人公、尚隆は賢王だったのだろうか?
そこら辺のことを考えると、作者が何を書きたかったのか分からないんだよね。
ラストの大胆不敵な活躍・策略や「民の痛みはオレの痛み」とかいうセリフを見れば、すごくイイ王様に見えるんだけど、じゃあなんでそんな優しい王が、反乱の理由になるほどずっと長いこと堤防作りを認めなかったのか・・・
斡由をおびき出すための気の長いワナ?
その辺のフォローがされてなかったから、ろくでもない無責任王というイメージしか湧かなかったんだけど。
初めから暇つぶしに、乱が起きるように仕向けたんじゃないのか、コイツ・・・
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『鴉』
麻耶雄嵩 幻冬社推理叢書
読始7/12 読了7/14
コメント・・・
チィッ!! と、舌打ち一つ。
あと一歩。あと一歩で真実に辿り着けたのに・・・ 扉を開く力が欲しい。
ちなみに、大鏡の謎には全く気づけなかったけど(爆)
とにもかくにも、読みやすいし、オチもバッチリだし、メルも出てくるし、言うことなしのお薦め本。
カインはアベルの死の真相に辿り着けるのか?
そりゃ、もちろん、メルカトルが出てくればどんな謎でも一撃必殺ですタイ。
銘探偵に死角無し。
あ、内容について全然語ってない(笑)
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『リバティ・ランドの鐘』
秋山完 ソノラマ文庫
読始7/14 読了7/16
コメント・・・
麻弥さんの書評を読んでからメラ気になってた本。
楽しい遊園地、リバティ・ランドを敵要塞と見なして襲ってきた軍隊
閉じこめられた2000人の客を守るために戦う三人の従業員と数千万体のアニマトロイド
例えるなら、2000機のザクに対して、無数のハロで立ち向かうような絶望的な戦い。
第一、ハロどころか、人工知能入りパスポートまでが数えられてのことなのだ。入場チケットまで戦わせてどうするんだよ・・・
必死に知恵を絞って立ち向かうリバティ・ランド。
そして・・・
クソっ。
ロボットは死ぬんじゃなくて壊れるだけだってのに・・・
遊園地用にフレンドリーな性格にプログラムされているだけなのに・・・
特攻して散っていく様には泣けてくる・・・
戦争のばかばかしさを切なく面白く書いたメルヘンファンタジー。
はい。面白いですとも。
泣けるってばよ
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欄外 独り言コーナー
ようやく500ヒット、と喜んだモノの・・・
まてよ、作ってから7ヶ月目だろ。
自分で一日一回覗いてると計算すると、500のうち200は自分が回したカウンターじゃねぇの?
グハア!!
実質300ヒット(涙)