麻弥さんの書評
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●「カレイドスコープの少女」内藤渉[富士見ファンタジア文庫](98/6/2)

ネットで評判がよかったので、買ってみました。第9回ファンタジア長編小説大賞佳作受賞作。なかなかよかったです。
かつて、かつて、工匠たちの手によって、さまざまな機械じかけの道具や建物、そして人間そっくりの機械人形まで数々作成されていた。文明の崩壊と共に工匠たちが滅び、原理のわからない機械だけが残った世界。それから200年。機械の修理を代々行ってきた、「奇跡の腕」工房のルディン。彼は酒場で、人間にしか思えないような、精巧な機械人形と会う。それからルディンは、機械人形たちと、古えの魔王や魔術師との争いに巻き込まれることに…
ヒロイン(たち)もそれぞれ健気でいいし、ルディンもいい奴で、まっすぐな恋愛モノの要素もあって、なかなかさわやかでいいんじゃないかと。おかれた状況はなかなか悲惨なものでありますが、登場人物たちが前向きだから、読後感もいいし。続き出てほしいなあ、これ。


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