二月前期


『吸血山脈』『地獄の奇術師』『魔天楼』
『クロックワーク,2』『スターパニック』『翼ある闇』
『ジャンケン入門』『虚無への供物』『風邪ひきエスパー』
『殺人パラドックス』『夜叉姫伝,4』『超・怪盗入門』
『花火の夜には人が死ぬ』『風邪ひきエスパー怒る』

『吸血山脈』
友成純一 ソノラマノベルス


読始2/1 読了2/2

コメント・・・
ナチスドイツ&オカルト。・・・ってネタこないだ見たばっかりなんですけど(爆)
そっちは朝松健の邪神帝国ってヤツでオカルト側のキャラがクトゥルーの邪神だったのに対し、こっちはタイトル通りルーマニアの吸血魔物。
内容は・・・思い返してみると薄かったかな・・・。
せいぜいが、ナチスSSのやり方にむかっ腹が立ったくらいで。
見所無し!!




『地獄の奇術師』
二階堂黎人 講談社ノベルス


読始2/2 読了2/2

コメント・・・
やっぱこのタイトルから取ったんだよなぁ?金田一少年の『地獄の傀儡師』って
それはともかく、一番感じたのは乱歩的な怪奇色かな。
わざわざ昭和40年代を舞台にしただけのことはある。こないだまで『最近』のを読んでたから新鮮だったよ。
で、謎解きはというと・・・
まぁ、大概の人は「コイツが犯人だろうな」と見当を付けるのは難しくないでしょう。
トリックも多分に並みなので、「現場を見られればオレにも全部分かったさ」と、いきがれる人が大勢出そう。
そんなレベルです。
結局見所は、古き良き江戸川テイスト、ってとこかな。
悪くはないけど、決して驚くような話でもない。
奇術師  キジュツシ  記述師 ・・・
なーんて、コレはウソ(爆)



『薬師寺涼子の怪奇事件簿 魔天楼』
田中芳樹 講談社文庫


読始2/2 読了2/2

コメント・・・
以前聞いた話では、やせて美しくなった小早川奈津子が主人公になったようなストーリー、と。
なかなかに正鵠を射ているが、やはりこう表現するのがスジではないだろうか?
田中芳樹版スレイヤーズ(笑)
主人公がナイスバディの27歳という説明があるにもかかわらず、ボイスイメージは林原めぐみ。
読んだことがない人のために言っておくと、事件簿といっても別に推理小説ではなく伝奇物である。
イヤミなキャラや怪物相手に、美人でわがままなお姉さまが暴れ狂う話だ(爆)
痛快爽快イイ感じ。
しかも、1話完結なので、次作との間に何年入ろうと問題ないって寸法だ(グハ)



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『クロックワーク,2 ぶれいくだうん・いのせんす』
山本剛 角川スニーカー文庫


読始2/2 読了2/2

コメント・・・
貧乏探偵シャフトの元に転がり込んだ居候の物語(爆)
本人も何か秘密があるらしいが、今回はワキに徹しているぞ。
と、なれば、主人公はシャフトの事を父と書いて「おとタマ」と呼ぶ、ウサ耳型平衡機関を持つ、ラブリーなロボット少女チッタになる。
経験を積むことで知識を増していく人工無能的回路を持つ少女は、学校で行われる陰険なイジメをどう解釈するのか、まっすぐ育つのか?
謎が謎を呼ぶ暇もない、極薄本に詰め込まれた5つのストーリー。
あっというまに読み終わります




『スター・パニック 一日地球防衛軍長官ロリエ』
伊吹秀明 ワニノベルス


読始2/2 読了2/3

コメント・・・
なんでアイドルが一日長官やる日に宇宙人の襲来があるんだ?うきゃーーー!!!
しかし、それはそれ。ビギナーズラックと言うか、素人ならではの無茶な発想とでなんとか撃退。
というユーモアSF。
ちょっと・・・いや、かなり物足りない。
面白くないことはないんだけど、枚数合わせるためにいろいろと削っちゃったのかな。
あとがきに書いてあるネタを全部盛り込むくらいのボリュームが欲しかった。




『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』
麻耶雄嵩 講談社


読始2/3 読了2/5

コメント・・・
面白かった!
次々とテンポよく現れる謎・推理・解決・間違い(笑)
探偵木更津の推理の後に名探偵メルカトル鮎が現れての推理合戦。
まぁ、無理にケチをつけてみると、ストーリーの進行が早いから読む方に夢中になって推理する暇がない(爆)
もっとも、推理したところで全ての謎を解くことはとても出来なかっただろうが・・・
しかし、なぜデヴュー作で「最後の事件」?
同人時代にメルカトル鮎のシリーズでも書いていたのだろうか?
ま、いっか。面白かったし(結局そこに帰結する)



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『ジャンケン入門』
清水義範 角川文庫


読始2/5 読了2/6

コメント・・・
うーむ、まぁ、そこそこ。
やはり個人的に、清水義範の短編とは相性が悪いらしい。
表題のジャンケン入門は良かったんだけど、それ以外の作品でガクンガクンと崩れていって、
筑波の恋。コレは一番苦手なジャンルだ。
「うわー、もぉ勘弁してくれぇ」と体中をムズムズさせながらダッシュで読んだよ(爆)
そんなわけで、清水義範に「爆笑」を求めている人にはお薦めしない。




『虚無への供物』
塔晶夫 講談社


読始2/6 読了2/11

コメント・・・
うーむ、装丁がボロボロで(マヂ壊れそう)外に持ち出せないため読書が進まないでござるよ〜。
さて、昭和30年代の本ということでどんなに古くさいかと思ったが、漢字が少し厄介なだけで、京極よりは読みやすかったんじゃないかな。
しかし、これが日本四大ミステリの一つ、と言われると「うーむ」な感じだね。
いや、まぁ、それは拙者が『虚無』に影響された作品群をすでに読んでいるからそう感じてしまうのかもしれないが、やはり、名作と呼ばれる以上はどんな時代に読まれても読者に『驚き』を与えてくれなくちゃ・・・ね。
で、大まかなストーリーだけど、氷沼家で起こった殺人事件に対して探偵ぶった関係者達が好き勝手な推理を披露するというもの。
だが、中には犯人の正体を知りつつも、犯人をかばってデタラメな推理をする人間もいる。
そして、虚無的な終章。
清涼飲料水の『ジョーカー』の「犯人が誰かなんてどうでもいい」という無責任なセリフに近い感覚かな。
ややズルイ系の終わり方という気もするが・・・
さて?



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『風邪ひきエスパー』
吉岡平 ソノラマ文庫


読始2/7 読了2/8

コメント・・・
ひょっとしたら創竜伝10巻に触発されて書かれたのではないかと思われる作品。
あったでしょ?下着のことをアンダーウェアの事を英国ではトイレットというのだ、ってネタが。
それを含めた様々な英国知識をちりばめた作品。
本筋も、風邪を引くとエスパー能力が発動することになった一人の若者を貴族の暇人が追い回す、というどことなく創竜伝っぽい話。
スジはともかく、ヒロインがキライだ(爆)
茉理ちゃんとは似ても似つかぬ・・・(似てたらダメじゃん)




『殺人パラドックス』
野崎六助 講談社ノベルス


読始2/8 読了2/10

コメント・・・
探偵にあこがれる、ごく普通の弁当屋の夫婦が偶然殺人現場に居合わせた!
ことを後で知った(爆)
しかし、弁当屋は警察署のはす向かいで、夫婦は前々から事件に関わろうと殺人課の刑事と仲良くしているのであった。
さっそく、むりやり、情報を聞き出して犯人を当ててみせる!
というお話。
割合読みやすい。けど、なぜか文章が時々、イカサマ中国人みたいな文体になるのがワザとなのかどうか・・・
そういや、簡単な漢字もいくつかひらがなだったな・・・
推理小説としてはどうなのかというと、ダメかもしれない。
だって犯人を疑うチャンスが少なすぎるモン。
素人探偵の無責任な推理を楽しむ小説か?




『夜叉姫伝,4』
菊地秀行 ノンノベル


読始2/10 読了2/12

コメント・・・
よくわからないな・・・
作者があとがきで言っているように、キャラクターが脇道にそれて終わりに向かって進まないから。
魔界都市新宿をしみじみと楽しむのが正しい読み方か?
かなり今更、だけど、メフィストが美貌だけで人面腫瘍を退散させるくだりなんか、かっこよすぎでホエホエ〜(って男の言うセリフじゃないなぁ)
ナニがなんだか分からない状態で、唯一仕事をしようと奮闘する秋せつらに拍手(笑)




『超・怪盗入門』
清水義範 角川文庫


読始2/12 読了2/12

コメント・・・
裏表紙のあらすじを読んでから本編にはいるのがおそらく正しいだろう。
二人の若者が怪盗に転職する、という事を知ってて読めば、二人を誘う女性の回りくどい言い回し・・・
「新しい形の流通業」とか「叔父の考えた画期的な」という言葉にニヤリとさせられるわけだ。
オチもグッドだし、本薄いし、読まなきゃ損だ。




『花火の夜には人が死ぬ』
野崎六助 講談社ノベルス


読始2/12 読了2/14

コメント・・・
再び出ました。六人の子供を持つ弁当屋夫婦の迷探偵。
今回は、夏の暑さでボケてるところに新探偵「長男」が現れる(笑)のだが、二人は全く喜ばない。
それどころがムキになって怒り狂う(爆)
たとえ息子に全財産を奪われたとしてもガマンできるが、探偵の看板だけは絶対に譲れないらしい(笑)
しかし・・・今回も構成的に推理小説としては成り立っていないのではないだろうか。
たしかに、主人公の夫婦は片手間に情報収集をしているだけでいい加減な推理を展開しているのだが・・・
真面目に推理しようとする読者にとってまともなヒントがちりばめられていない。
読み返しても(してないけど)解決は無理だなぁ?
出来る人・・・いる?




『風邪ひきエスパー怒る』
吉岡平 ソノラマ文庫


読始2/14 読了2/15

コメント・・・
例の、イギリス及びその周辺の国、ついでに各種ホビー(趣味)のウンチク垂れ流し小説第2弾。
イギリスに音楽留学している狩野柳佑はアルバイトのため、同校生とバンドを組んでオランダまでコンサートに行くことになった。
今回も戦車が走って超能力が唸る(ヘンな話・・・)
まぁねぇ、破綻はしてないけど、面白いってほどのモンじゃないよなぁ。
でも勉強にはなるので、冗談のつもりで読んでおけ(爆)

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