セツナさんの書評
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『まほろ市の殺人 秋 闇雲A子とユ憂鬱刑事』
祥伝社文庫 麻耶雄嵩
感想
 夏に続き、作家が主人公のまほろ市競作。
 連作で、主人公の職業が重なるのはちょっと痛いね。どうしても、最初に読んだ我孫子版と比べてしまう。
 まぁ、そういう穿った視点は消去、消去、
消去・・・。
 
 真幌市は、春のバラバラ殺人に始まり、夏の悲劇的な殺人を経て、ついに、この秋、真幌キラーと呼ばれる無差別連続殺人が暗躍する街になってしまいました。春の時点では、住んでみたいなと思わせる街だったのに、こんな惨憺な街になってしまうとは、おじちゃん悲しいよ(お前は、誰だ)。
 それに主人公の、暗い、暗すぎる・・・。そりゃ、メランコリー言われるわな。
 ましてや、このラスト。久々にこんな暗い物語読んだわ。けど、この内へ内へと入り込んでいく作風がいいなぁ。

神薫さんの書評
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「まほろ市の殺人 秋 闇雲A子と憂鬱刑事」★★★
 なぞめく文体に翻弄され、いつしか迷い込む犯罪の迷宮。被害者の傍らに置かれたモノの意味することは?全てがわかったときの崩壊感はさすが!!
 動機が現実的でない…など気になるところがあるかもしれないが、癖のある濃いキャラ、怒涛のストーリーテリングで有無をも言わせぬ迫力、ラストまで突っ走るのであった。
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