Quanさんの書評
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「水の屍」(幻冬舎ノベルス)神崎京介

 ジャンルがはっきりしない。
 サイエンスホラーかと思えばそういう怖さもなく、ミステリ的なオチも弱い。キャラクターの書き込みはばらつきがあり、(しっかり書き込んであるのは主人公ぐらいじゃないのか)ところどころ挿入されているベッドシーンもちぐはぐだ。パーツパーツは秀逸なんだけども、うまくかみ合っていない様な気がする。
 幻想的な文章で書かれたハードボイルド、というのが一番近いかな。
評価☆☆☆

麻弥さんの書評
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●「水の屍」神崎京介[幻冬舎ノベルズ](97/7/29)

帯の村上龍氏の推薦を読んで買いました。
−−フリーバイク便ライダーの沢木は静岡から湧き水を汲んでほしいという依頼を受けた。依頼主は、水アレルギーの少女。ふたりが出会ってから、奇妙なできごとが…
ストーリーの発端はなかなかおもしろかったけど…うむむ。
この話のキーワードである、「リセット・ハイ」という現象の説明が、うさんくさくて、「ちょー」な匂いがするんですよ(^ ^;)。もちろんこれは小説だから、この理論は実在しないけど、でも小説世界でのリアリティをもう少し感じさせてほしかったです。
この作者の前の「0と1の叫び」も謎の骨組みはなかなかおもしろかったのに、全体のバランスの悪さでもったいないことをしてるなあ、って思う。


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