hideさんの書評
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『夏と冬の奏鳴曲』 麻耶雄嵩(講談社ノベルス)
笑い★☆☆☆☆ ★★★☆☆ 恐怖★★★☆☆ 総合★★★★☆
 20年前、和音(カズネ)という女性を慕い、数人の男女がある島で共同生活をしていた。その島は、「和音島」と呼ばれ、そこには、歪んだ館が建っていた。しかし、和音の死をきっかけに、彼らは、島から出てそれぞれの人生を歩んでいた。 しかし、20年経った今、彼らは、再び和音島に集まった。その島に滞在してから数日後、歪んだ館の主が、離れのテラスで首ナシ死体となって発見された。そして、なんとその日は、真夏にも関わらず、島一面に雪が降り積もっていた。

 ノベルスながら500ページくらいある、かなりの長編だ。今回は、事件の鍵とも言えるある1本の映画を境にして、展開がガラッと変わってしまう。その映画が出るまでは、殺人が起こるものの、比較的ゆったりと流れている。しかし、その映画の後は、怒濤の急展開が待っている。 あまりの急展開ぶりに、久々に手に汗握ってしまった。しかし、その映画にたどり着くまでが少々長すぎる。人によっては、その前までで飽きてしまうかもしれない。さらに、結末があまりにも、「そんことありえるかい!」っていうような都合がよすぎるものだったので、とりあえず 総合★4つにした。そう簡単には、5つはあげられない。でも、名作だ。


みはるさんの書評
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「夏と冬の奏鳴曲」麻耶雄嵩(講談社ノベルス)

何、何、何、何、何だこれはー!!理解不能、理解不能。この作者の前作を読んだときもそうだったが、また叫んでしまった。 前半はとにかく読み辛くて、このテンションについていけない、やっぱりこの作家さんとは相性があわないのだ、と思っていたが・・・もうそんなレベルの話ではない。とにかくこの終盤は何?!この、ミステリの枠に収まりきらない話は、どう捉えたらいいのか。なんだかゾゾッとした。文字ではないあの表現方法も怖い。しかし、メルカトル鮎はやはり笑える。こういう壊れた小説もいい。


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