麻弥さんの書評
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●「人形幻戯 神麻嗣子の超能力事件簿」西澤保彦[講談社ノベルス]880円(02/08/10)

「転・送・密・室」に続く、チョーモンインシリーズの最新作。今回は短編。
「チョーモンイン」というのは「超能力者問題秘密対策委員会」の略で、超能力者が起こす事件を解決するための秘密組織。その見習い相談員の嗣子とゴージャスな美女の能解刑事、売れないミステリ作家の保科に加えて保科の別れた妻の聡子らが事件を解決するというシリーズもの。コミカルな感じの話です。
超能力といえばミステリでは反則技ですが、このシリーズはその能力は「いつどこでどの程度の強さでどんな超能力が発揮されたか」がわかってまして、その上での本格パスラーになっています。
最近はこのシリーズ、「HOW」よりも「WHY」の部分というか、事件を通して見えてくる歪んだ人間関係の描写の方に力が入っているような。初期の頃とは別の味わいになってるかも。
結構オススメのシリーズです。読む順番としては「念力密室!」(短編集)から入るのが一番よいかと。


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