麻弥さんの書評
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●「あなたは虚人と星に舞う」上遠野浩平[徳間デュアル文庫]590円(02/09/21)

「ぼくらは虚空に夜を視る」・「わたしは虚夢を月に聴く」に続く、ナイトウォッチシリーズ三作目。
このシリーズって、上遠野浩平の作品の中では一番「とんがった」シリーズですが、三作目もエッジの尖り具合がすばらしく、「信者」としてはとても満足な作品でした。
それ以上の詳しい感想は、ちょっとかけないです。自分が感じた漠然としたいろんなものを、名前をつけてしまえば陳腐なものになって、大切なものがぽろぽろこぼれちゃいそうだから。…といいながら、読んでからこの感想を書くまでに一晩経ってしまったので、あのときの自分を包んでた色彩はもうおぼろげで、目が覚める直前に見ていた夢のような心地がするけれども。
微妙にネタバレ感想→「虚空」は明らかに裏「笑わない」、そして「虚夢」は明かに裏「VSイマジネーター」で、次は裏「パンドラ」になってくれないかなあと期待してましたが、今回の作品は、裏「パンドラ」と言えなくもないかも…と私は思いましたが。どこが、って説明するのは難しいけれども。
でも前向きでカッコいいなあ、キョウは。
今気がつきましたが、248ページにでてきた「〔鉄仮面〕マイロー・スタースクレイパー」って、NOVELS21「少年の時間」での「鉄仮面を巡る論議」のあの人だったんですね。そして、「虚夢」の177ページに出てくるのも彼らですね。「鉄仮面〜」を探し出して読みなおしたら… 切ない… あれは童話として描かれていますが、実際にあんなことがあったあとにひたすら戦い続けてきたのでしょうか…


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