麻弥さんの書評
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●「プリズンホテル」浅田次郎[徳間書店](98/10/7)

ひなびた温泉町にある、奥湯元あじさいホテル。通称、プリズンホテルは、ヤクザの経営するリゾートホテル。そこはどんなワケアリの客でも優しくもてなしてくれるホテル。「〜秋」の方の帯に「極道ファンタジー」というあおり文句が書いてましたけど、すごい組みあわせだよねぇ(笑)。でもそれがぴったりくる、心温まる話です。子最後の方とか、ほろりとしました。
浅田次郎では、このシリーズが一番好きという人もたくさんいて、前から気にっていたんですが、やっと読むことができました。にしむらさん、ありがとうございました(*^ ^*)。
1993年発行だから、そろそろ文庫本化してもいい頃だと思うんだけど、まだなのかなあ。


hideさんの書評
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『プリズンホテル』浅田次郎(徳間書店)
笑い2.5点 涙2.0点 恐怖0.5点 総合4.5点
 極道小説シリーズが好評の小説家・木戸孝之介。そんな彼のたった一人の親戚である仲蔵は、筋金入りの極道者である。 その仲蔵が、山奥にあるリゾートホテルのオーナーになった。生きてる人間も死んだ人間も、善人も悪人もそっくり もてなす極楽ホテルを目指してはいるが、もっぱら任侠団体の方々が利用するため、山すそに住む人たちは 「プリズンホテル」と呼んでいた…。
 そんなホテルで繰り広げられる笑いと涙の大騒動。

 オーナーは極道、支配人はカタギだがちょっとワケあり、副支配人以下従業員は皆極道、仲居はカタコトの日本語で話す 外国人というかなり小説的で突飛な設定。また、泊まりにやってくる客も皆、一癖ある人ばかり。
 でも中に散りばめてある数々のエピソードは、笑えて感動できるものばかり。エピソードそのものの良さもあるが、 悪そうに見える人たちが深みのある印象的なことを言ったりする、そのギャップがとても良い。
 ただ、小説家・木戸孝之介の性格だけはちょっと好きになれなかった。


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