極道小説シリーズが好評の小説家・木戸孝之介。そんな彼のたった一人の親戚である仲蔵は、筋金入りの極道者である。
その仲蔵が、山奥にあるリゾートホテルのオーナーになった。生きてる人間も死んだ人間も、善人も悪人もそっくり
もてなす極楽ホテルを目指してはいるが、もっぱら任侠団体の方々が利用するため、山すそに住む人たちは
「プリズンホテル」と呼んでいた…。
そんなホテルで繰り広げられる笑いと涙の大騒動。
オーナーは極道、支配人はカタギだがちょっとワケあり、副支配人以下従業員は皆極道、仲居はカタコトの日本語で話す
外国人というかなり小説的で突飛な設定。また、泊まりにやってくる客も皆、一癖ある人ばかり。
でも中に散りばめてある数々のエピソードは、笑えて感動できるものばかり。エピソードそのものの良さもあるが、
悪そうに見える人たちが深みのある印象的なことを言ったりする、そのギャップがとても良い。
ただ、小説家・木戸孝之介の性格だけはちょっと好きになれなかった。
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