麻弥さんの書評
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●「プリズンホテル 春」浅田次郎[徳間書店](98/11/15)

極道ファンタジー、「プリズンホテル」シリーズ完結編。シリーズを締めくくるにふさわしい作品となりました。とにかく、泣きました。それも泣いたあとに気持ちがほんわかするような、そういう暖かい涙でした。それ以上の言葉は必要ないと思います。このシリーズはぜひ読んでみてください。


hideさんの書評
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『プリズンホテル 春』浅田次郎(徳間書店)
笑い1.0点 涙4.0点 恐怖0点 総合5.0点
 木戸孝之介の小説二篇が、文壇の最高権威たる日本文芸大賞にノミネートされた。孝之介は選考会の結果を待つため、 そしてある人を探すために<プリズンホテル>に向かった。その頃、52年という信じがたいほど長期の懲役を終えた 一人の老人が<プリズンホテル>を目指していた。

 毎回、荒唐無稽な設定で楽しませてくれたこのシリーズも本書でいよいよ完結する。「偶然のめぐりあい」ばかりで あまりにもできすぎてるストーリーは相変わらずだが、それがこのシリーズの醍醐味なのだと思う。
 今回の宿泊客は、木戸孝之介の身内と編集者御一行、大曽根一家、子役の卵とその母(役者)、52年の懲役を つとめた老人とその連れ、教師。とバラエティに富んでいる。
 「」は出会いと別れの季節、そして雪どけをむかえる季節でもある。本書は「春」というタイトルに偽りなしの シリーズ完結編になっている。
 この総合5点は、シリーズを通して読んだ評価なので、初めて読む人は「プリズンホテル」から 読んでいただきたい。


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