五月前期
『黒竜潭異聞』・『すべてがFになる』・『プリズンホテル,4』
『風来忍法帖』・『新宿少年探偵団,4』・『算学武士道』
『黒竜潭異聞』
田中芳樹 実業之日本社
読始5/1 読了5/3
コメント・・・
面白く無いとは言わないが、別に田中芳樹のダシが出ているわけでもなく、フツーの出来。
作者名が伴野朗になっていても多分誰も、作者ですら気付かないかもしれない(笑)
そんな、中国歴史物短編集。いや、翻訳集かな?
四書から自分の好きなエピソードを引っ張ってきただけのようだ。
とりあえず、拙者好みのキャラは・・・
「蕭家の兄弟」に出てきた西魏の相国、宇文泰かな。
特に意識もせずに質素な生活。その生命エネルギーの全てを政治・軍事という国を作る事に注ぎ込む男。
リアルの建国シミュレーションにずっぽりハマっている感じか(笑)
こんな人になるか、こんな人の部下になりたい。なんとなくそう思うよ。
『すべてがFになる』
森博嗣 講談社ノベルス
読始5/4 読了5/6
コメント・・・
かなり、いまさらではあるが、手を出してみた。犀川&萌絵のシリーズである。
合理主義の冷血大学教授と、計算の天才にして世間知らずのお嬢様がコンビを組んだ時どうなるか。
なんだけど、とりあえず、出だしがタルいな・・・
よくこんなんで大人気になれたな、と驚く程度に、かったるい。
面白くなるのは解決編からだな。
最も原始的な犀川が計算を始める辺りから(笑)
ところで、この作品を先に読んでいたら、クビキリサイクルの裏側が読みきれたのでは・・・
とか思えるわけで。
並列書評に飛ぶ
『プリズンホテル,4 春』
浅田次郎 集英社文庫
読始5/6 読了5/7
コメント・・・
面白かった。
面白いをわざわざ分析すると・・・
感情のツイスターゲームということになる。
右手が笑いで左手は怒りね。右足がせつなさで左足を悲しみに・・・
ってな乱雑と紙一重のハイスピード展開で脳味噌がどんな反応をしたらいいか混乱しているところにドドン!と感動的なセリフが体当たりしてくるわけよ。
そんなワケでバランスの崩れた精神はあっさりと感動方向に倒れてしまうのだな。
そして、体中がプリズンホテルは素晴らしい、と認識する。
・・・
なんか、インチキ宗教みたいなハメ方だな(爆)
まぁ、拙者はプリズンホテル信者になってしまったわけだし、そんな表現がピタリかな。
とにかく、良かった。面白かった。また、読むだろう。
プリズンホテル・・・
読者を閉じ込めて逃がさない牢獄だぁね(笑)
並列書評に飛ぶ
『風来忍法帖』
山田風太郎 講談社ノベルス
読始5/7 読了5/14
コメント・・・
山田風太郎の傑作忍法帖シリーズは全部読んだと思ってたけど・・・
見逃しがあったみたいだな。それとも記憶の底に沈んだか?
五本の指も同然というほど一蓮托生な七人の香具師が、故あって忍城の姫様をお守りする、そんな話。
とはいえ、これは非常に大雑把なあらすじ。この展開になるまでにページが7割ほど消費されるのだが(笑)
さて、七人の香具師とは・・・
悪源太助平。すけべいではなくすけひらと読むが意味はすけべい。ヤった女を虜にする能力をもっているが、一度抱いた女に近づかれると吐き気がするという難儀な体質。
昼寝睾丸斎。どじょうヒゲを捻りながら、つらつらと作戦を練る軍師役。賢いと言っても香具師の中で一番というだけだが・・・
七郎義経。なぜか九郎ではなく七郎を名乗る。特技は・・・顔がイイのだけがとりえ・・・
弁慶。その名の通り強力無双。別に義経の部下ではない。
夜狩りのとろ盛。感じると女のような声で、トレモロのような泣き声を上げる。
陣虚兵衛。虚無的な元侍。薄い目のワリには抜群の視力を持つ。
馬左衛門。顔も馬だがナニも馬。
こんなマヌケな特性だけで風摩忍者と立ち向かう・・・感 動 巨 編
いや、もぉ、マヂ泣き。
彼らのある意味真っ直ぐな生き様が、カッコ良くて、せつなくて・・・涙が出てくる。
香具師・・・そう言えば、フーテンの寅さんも他人のために一生懸命だよね(笑)
『新宿少年探偵団,4 紅天蛾』
太田忠司 講談社ノベルス
読始5/14 読了5/15
コメント・・・
紅天蛾・・・大鴉博士の孫娘という形で登場する謎の美少女。
彼女の起こす大事件に対して少年探偵団が調査を始める!
まぁ、紅天蛾のおかげで少年たちが元気に大暴れ?
悩む間もなく行動せざるをえない状況に追い込まれるわけだね。
だんだん伝奇モノとして楽しめるようになってきた。
そして、キャラ紹介は、メイン主人公のはずの羽柴壮助。
チビですばしっこい元気系キャラ。単純で脳味噌が沸騰しやすく、夢野美香ラヴ。
前回、バケモノに対してナイフを投げつけたことを激しく後悔する彼は、趣味で収集していたナイフを全部処分する。
そして新たに手に入れた武器はショックガン・・・
表紙の絵。武器がそんなオモチャになったこともあってますます子供っぽくなっている・・・
『算学武士道』
小野寺公二 文藝春秋
読始5/15 読了5/16
コメント・・・
算学に携わる者達を描く短編集。おそらく、フィクション
算学、ってのはまぁ、大雑把に言ってみると・・・実用的でないレベルの計算である(笑)
たとえば、微分積分高等図形ってとこか。
彼ら算学者は、今までにない問題を作り出しては「算額」というものを作り神社に奉納する。
神の加護あって問題を思いついたのだ、という形で。
とりあえず、いまさらながら勉強にはなった。図形における補助線の引き方を理解したよ(笑)
トップに戻りたい
リストに戻る
欄外 ゲームの伝道
今、必殺のソフマップDCソフト投げ売り。
そこでサクラ大戦4を980円で購入。
面白さはまぁまぁなんだが、全ての選択肢に全力で答えているので精神的に疲労する(爆)
本来、キャラ萌え目的になるはずのゲームなのだが・・・
拙者の場合はハマるほどに好みのキャラがいなかったりして。
元々、藤島康介のキャラはそれほど好きでは無いと言うか・・・