Quanさんの書評
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「ラグナロク洞 <開かずの扉>研究会影郎沼へ」(講談社ノベルス)霧舎巧

 ミステリマンガ小説、あるいはありとあらゆる新本格ミステリへの憧憬。しかしタイトルのセンスが絶品(笑)。
 後動さんは江神○郎だし(過去の設定とか……)、鳴海さんは火村英○だし、他のキャラクターもわざとらしいし、ミステリとしてのロジックはいいとしてもストーリーテリングはあまりにもなんだけれど……それを笑って許せれば本当に面白いシリーズです。今回は、「嵐の山荘もの」で「ミッシングリンク」な「ダイイングメッセージ」の話です。
 影郎沼の洞窟ホテルにとじこめられた<名探偵>鳴海雄一郎とワトソン役の二本松翔は、奇妙なダイイングメッセージを残した死体たちに遭遇する。(ここらへんのリアリティのなさがマンガっぽいところ)奇妙な符号を持った死者たちの謎を次々と解きつつ、最後には後動さんがしめるというパターンも変わらず。大ネタ小ネタ満載で笑いながら読めます。
 さて、次は「○○家の殺人」とかかな。
評価☆☆☆☆+

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