神薫さんの書評
集英社
「リドル・ロマンス 迷宮浪漫」★★★
彫りの深い顔立ちに、背中まで届く黒髪。美貌の男、ハーレクイン。彼のもとへ行けば願いが叶うのだという。悩みや願いを胸に抱えた人々が訪れる。ハーレクインは快刀乱麻とばかり、彼らの真実の心をあらわにしていく…。謎を秘めた男・ハーレクインは、悪魔か道化か、はたまた精神外科医なのか!?
心の迷宮に迷い込んでしまう哀れな人々の手をひき、真実という明かりの下へ連れ出すのが彼の力である。時にはファンタジー、ある意味ミステリな1冊。川口まどかの名作「やさしい悪魔」にかなりソックリではあるが、また違った切り口で楽しませてくれる。
ハーレクインの正体に迫る、茶目っ気たっぷりの篠田真由美による解説も楽しい。
戻る