保険調査員の小野由一が遭遇した難事件(?)の数々。
「音の気がかり」:ある富豪のひとり息子が誘拐された。犯人の電話の背後に「ガッツ石松、ガッツ石松」という
気になる声が・・・。
「六枚のとんかつ」:ある社長が殺された。容疑者は6人の息子。しかし彼らにはアリバイが・・・。
など計15編+αからなる連作短編集。
第3回メフィスト賞受賞作。なのだが、いったいどの辺が評価されての受賞なのかわからない。
笑える「アホバカミステリ」らしいが、出てくるのはオヤジギャグと下ネタとテレビのネタのパクリなど、ユーモアのセンスが
感じられないものばかりだ。
一例を挙げると
「〜大船に乗ったつもりでいたまえ。豪華客船タイタニック号にでも乗ったつもりで・・・」
「沈むよッ」
こんな三流芸人のような背筋の凍る笑いが、満載だ。また、ひどいことに「あとがき」でことこまかに自作解説・ネタバラシを披露していて、
もう目も当てられない。と、ほめるところが見つからない本書だが、唯一ほめるとすれば、これを出版した勇気と、
この出来で顔写真付きプロフィールを堂々と公開している著者の度胸をほめたい。
ブックオフで450円で買ったのだが、100円になるまで待っていればよかった・・・。
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