Quanさんの書評
HPはこちら Quanの乱読趣味の砦


スコッチゲーム

 ええと、今回はタックが探偵役でタカチの過去のしがらみをきる、というもの。
 タカチの意外な過去。それもそうだが、犯人はちょっとアンフェアでないか?まあ、納得できることは出来るけど・・・・。シリーズものであるということを差し引くのであれば、評価がもう少し下がるんですが、シリーズものの中の1作品としては文句ない出来でしょう。ファンにはたまりません。
 意外性をもとめるなら、「彼女が死んだ夜」「麦酒の家の冒険」あたりを読んでからの方が・・・・。

「いや、こんな企みもあったんじゃないか、という、これは単なる想像だよ」
評価☆☆☆☆☆
麻弥さんの書評
HPはこちら Books by 麻弥


●「スコッチ・ゲーム」西澤保彦[カドガワエンタテイメント](98/3/31)

匠千暁シリーズ。今回は、タカチの高校時代に、遭遇した殺人事件。タカチの同性の恋人が、高校の寮で殺された。次々と起こる殺人事件、それを解決するのは…
前の「仔羊たちの聖夜」もそうだったけど、今回もかなり重い話となっています。タカチと父親のかかわり、それが前面に出てきてますね。キャラモノとして、このシリーズは気に入ってますので楽しめましたが、ミステリーとしては……ちょっと論理飛躍しすぎじゃないかなあ、って思うんですけど。真犯人とあの人の関係、いきなりアレでは、私でも、「………そう簡単に、そうなっちゃうかなあ」ってひいちゃいます(^ ^;)。次はポアン先輩か、ウサコが主役の話になりそうってことで、楽しみです。


セツナさんの書評
HPはこちら 一瞬の憶念



「スコッチ・ゲーム」
西澤保彦 角川エンタテイメント

2000年7月17日
ストーリー
安槻大学に入学する前、郷里で高校卒業を控えたタカチが学園の寮に帰ってくると、恋人でもあるルームメイとの鞆呂木恵が殺されていた。容疑者は河原でスコッチを捨てる不審人物の後を着けたと奇妙なアリバイを主張し、事件は迷宮入りに。
タックシリーズ学生編第4弾。
感想
前作から続くテーマを元にタカチの過去を描きもの凄い話になってますね。前作は切なく話が終わってしまいましたが、二作を対とみなして読むと、前作の終わり方も良かった気がします。

ネタバレ感想
前作「子羊たちの聖夜」で描かれていたタカチと父親の関係がより明確にし、千帆と恵、千帆と惟道の相手に対する思いを描く事で前作から書かれていた他人への干渉という行為への結論を出しタカチが過去から脱却する様が素敵に描かれています。今までと違い出だしの情景描写が詩的な始まり方をするのですが、読み終わってみると惟道晋の不安な心を上手く表している気がします。


戻る