hideさんの書評
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『スウェーデン館の謎』 有栖川有栖(講談社ノベルス)
笑い★☆☆☆☆ ★★★☆☆ 恐怖☆☆☆☆☆ 総合★★★☆☆
 推理小説家・有栖川有栖は、取材のため冬の裏磐梯を訪れていた。裏磐梯には、「スウェーデン館」との異名を持つログハウスがあった。「スウェーデン館」に住む夫婦には、2年前に子供を事故で亡くしたという悲しい過去があった。 そして、有栖が訪れたとき、子供が死亡した当初にその館にいたという客が数名宿泊していた。そんな時、館の離れで殺人事件が発生する。

 <国名シリーズ>の第二弾である。雪に覆われた離れで殺人事件が発生し、そこには、犯人のものらしき足跡がない、という典型的な設定。トリックも、かなり都合良くなっているし、凶器にも納得いかなかった。 そんなわけで、はっきりいって、凡作という気がする。しかし、舞台設定といい、表現といい、殺人事件を取り払ってみると、詩的で、結構きれいな小説だと思う。


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