神薫さんの書評
HPはこちら PNU屋


『米山公啓』
 廣済堂文庫
「多摩の台病院ものがたり」★★★
 医者である著者による、ヘンテコ病院ストーリー。次々奇人変人の医者が出てくるという軽くて明るい連作短編集だ。人死にも出ないし、重病もあまりないし、仕事もエグくないし、こんな病院あり得ない…でも、実在するなら勤めてみたい病院ではあるな。これほどではなくとも、実際に医者というのは勉強勉強で人生やってきて、世間知らずなことが多いものである。そこが、強調されると本書のような物語となるのであろう。主人公?の鬼角先生は、なかなかいい医者でんなあ。社交性と協調性に優れた人は貴重だよ。
 しかし、「東医体」とかイヤなことを思い出したぜ(東医体とは…やる気のない部員には、暑くてダルくてつまらない、医学部体育会系イベント。私はこれで寝不足とあせもに悩まされたものだ)。 

hideさんの書評
HPはこちら Dr.Jekyll and Mr.hide

米山公啓


『多摩の台病院ものがたり』
米山公啓(廣済堂文庫)
笑い2.5点 涙0.5点 恐怖0点 総合3.5点
 地域密着型の病院として発展してきた多摩の台病院。そんな病院に、東城医大から派遣された医者・鬼角。不平不満を 口にしつつも外来を始めた彼は、赴任早々、とんでもない患者に出会う。
 とんでもない患者、とんでもない医者が集まり、とんでもない事件を起こしていく病院のものがたり。

 医者であり、作家である米山公啓のハチャメチャ医療小説。
 そんな医者いないだろ!そんな患者いないだろ!そんな偶然の出会いないだろ!とツッコミどころが満載。 でも医者である米山さんが書いているから、実在の医者や患者の特徴の一部を突出させたようなキャラ設定 なのかもしれない。
 米山さん自身が楽しんで書いている雰囲気があって、読むほうも難しいこと考えずにただ楽しめばいいという 気楽な感じがする。通勤通学にピッタリの薄くて読みやすい一冊。


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