Quanさんの書評
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「天象儀の星」(ソノラマ文庫)秋山完

 ノスタルジック=フューチャーな短編集。
 「天象儀の星」「まじりけのない光」「ミューズの額縁」「王女様の砂糖菓子」「光響祭」収録。お気に入りは「ミューズの額縁」かな。これに限らず、最後の年表を見る限り収録作はすべて一つの大きな歴史の中にみな含まれているみたいですね。まあペリペティア・シリーズ(というかシリー・ウォーズ)に関係するのは最後の「光響祭」だけですが。……「“無”に勝った」というセリフに感動してしまったので評価を3+から4へ。この人の真価は大河ドラマを構築する力のある所だと思うので……。
 次回は是非とも数冊規模の大長編を……(たぶん『プリンセスの義勇海賊』かな?)
評価☆☆☆☆

麻弥さんの書評
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●「天象儀の星」秋山完[ソノラマ文庫]533円(01/03/28)

「ラストリーフの伝説」「リバティ・ランドの鐘」「ペリペティアの福音」「ファイアストーム 火の星の花嫁」の秋山完の「懐かしき未来」の系譜につながる新作短編集。デビュー作を改稿した作品や昔雑誌に載った話の他、書き下ろし新作も。
SFですがファンタジー属性が強いです。幻想的なイメージと光と音。物語自体は優しくもあり、ほろ苦くもあり。書き下ろしの「光響祭」が特によかったです。言葉の連なりがとてもきれいで。
結構オススメひととき、美しい夢を見せてくれるおとぎ話。このシリーズを一冊も読んだことなくても大丈夫です。
巻末に「懐かしき未来」シリーズの年表が載ってましたが、それによると「プリペティアの福音」にでてきたフレンのお話もあるようですね。とても楽しみ。秋山完さんは遅筆なので次の作品がいつ読めるかわからないけど、楽しみに待っています。


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