八月後期
『太陽王 武帝』・『妖月の航海』・『悪意の街』
『バトル・ホームズ』・『紅秘宝団』・『紅秘宝団(完結編)』
『オーラバトラー戦記,2』・『天象儀の星』・『拳侠黄飛鴻 満州篇』
『拳侠黄飛鴻 広東篇』・『最後の竜戦士』・『ダブルブリッド』
『風鬼』・『地球から来た男』・『カーリー女神の戦士』
『太陽王 武帝』
伴野朗 講談社
読始8/16 読了8/21
コメント・・・
武帝というのは、まぁ、ラッキーだけで皇帝になった人らしい。
相続争いの中、外戚が弱いと言うことで選ばれた人(笑)
しかも、二代に渡って蓄えられた財力が、彼を覇王として活躍させるに至ったと言うわけだ。
そして、即位後三年もの間放蕩し続ける。邪魔する者は死罪、というオマケつきで。
だが、ついに諫言するものが現れた。
そしたら、武王のスチャラカっぷりは、国内の膿を搾り出すためのフリだったというではないか。
粛正の嵐が吹き荒れる。
若いうちは、このようにキレ者であった武王。
匈奴の侵攻を止め、逆に押し返す。衛青や霍去病を起用して
だが、晩年は・・・
老人ボケと言ってもいいほどダメダメな人間になってしまう。
専制君主制では仕方のないことなのかな?
『ネオ・シンドバッド 妖月の航海』
井上雅彦 ソノラマ文庫NEXT
読始8/21 読了8/21
コメント・・・
あとがき解説が言いたいことを大体書いてくれているな(笑)
平安時代をクトゥルー神話重ね合わせた作品。
主人公シンバは・・・あんまり活躍していないような・・・(爆)
周りのキャラクターに助けられているばかり?
シンバ自身の中にもシンドバッドを宿らせているし。シンバの活躍は、ドコ?
しかし、面白くないわけではない。充分面白かった。
アイデア盛りだくさん。GOOD!
『闇魔術師ネフィリス 悪意の街』
梅津祐一 角川スニーカー文庫
読始8/22 読了8/22
コメント・・・
なかなか波乱万丈で面白かった。
しかし、プロローグは捨てた方がいいかもしれんな。イマイチ、読者を引き込むよりも読む気なくさせ系。
な、ワケなのでプロローグで判断するのは止めておいたほうがいい。
とはいえ、タイトルに偽り無く、結構邪悪なストーリーなので、それはそれで悪?(笑)
一見冷たそうで、実はやさしく、それを隠すために邪険な態度を取る、か。
一見単純そうなストーリーは二転三転して予想外の方に突き進む。
叩いて喜んだり、叩かれて喜んだりする、ヘンな宗教も登場して(笑)
まぁ、お薦めしてもいいかな。血ィ流れます。子供も死にます。
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『バトル・ホームズ 誰がために名探偵は戦う』
梶研吾 集英社スーパーダッシュ文庫
読始8/23 読了8/23
コメント・・・
カッコイイ。
ワトソンと出会う前のホームズ。
ボクシングとジュウジュツを使いこなすホームズ。
ろくでもないボンボンを懲らしめるホームズ。
さらわれた柔術の師匠であるタニ先生のマネージャーを探すためにその頭をフル回転させる。
浅田のイラストでホームズのカッコよさ倍増。
ただし、バトル・ホームズなので謎の方は薄め。
人間関係の繋がりが秘密になっているだけで、トリックってやつは出てこないぞ。
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『紅秘宝団』
菊地秀行 ノンノベル
読始8/24 読了8/24
コメント・・・
口にするのも恥ずかしい(爆)、それはアトランティスの秘宝。
謎の男が死に際に、女に押し付けたのが秘宝の地図であり鍵となる力であった。
それを奪い合う泥棒二組。
一つは紅秘宝団。そしてもう一つが銀仮面。
犬猿の仲の両グループの争いの中、トンブに一服盛られて記憶を失ったせつらが参戦する。
ドクターメフィストまでもが、アトランティスの秘宝・・・不老不死を求めてせつらの敵に回ったり(笑)
内容はともかく、ノリがいいので一気に読んでしまった。
『紅秘宝団(完結編)』
菊地秀行 ノンノベル
読始8/24 読了8/25
コメント・・・
タイトルに完結編と付いていると、間にまだ何かあるんじゃないかと気になってしまうが、全2巻。
人形娘が銀仮面の下っ端相手に箒を振り回す。
せつらは頭が働かないまま妖糸を振り回し、メフィストは泰然自若。
トンブは誰に付くのが一番得かと太った体を捩り、いつの間にか話は終わる(爆)
なんというか・・・泥棒たちは世界の盗賊であるからして、「新宿」にはかなわない?
コレといってハジケた技の使い手がいなかったのが不満。
読みやすいけど、中身が薄い。
『オーラバトラー戦記,2 戦士・美井奈』
富野由悠季 角川スニーカー文庫
読始8/25 読了8/26
コメント・・・
前回の活躍で、とりあえず領地を手に入れたジョク。
うわぁ、いいなぁ(爆)
だが、ガロウ・ランとの戦いも迫っている。
機械・・・オーラマシンを利用するアの国に対して、野蛮なガロウランは強獣と呼ばれる巨大な獣を操り、戦いを挑む。
ジョク・バーン・ガラリアの三人はタコ型浮遊機械ドーメからロボット型のカットグラに乗り換え、さらなる活躍をする。
はずなんだけど・・・
人間が力をつけるほどに、ガロウランも進化していく。
イタチゴッコの戦いはどこまで続くのか。
オーラバトラー同士の戦いや、地上に飛び出したりする話はあるのか?
ナゾ
『天象儀の星』
秋山完 ソノラマ文庫
読始8/26 読了8/26
コメント・・・
なつかしき未来。ノスタルジック・フューチャー。
言いえて妙とはまさしくこのことだろう。
未来の話なのに、なぜか懐かしい感覚が脳髄から湧き上がる。
内容は、初期短編4本と、ペリペティアの後日談的ストーリー。
初期作からは、「天象儀の星」と「王女様の砂糖菓子」が良かったかな。
天象儀は面白くないほうに天秤が傾くのだが、なぜか懐かしくてホっとする不思議さがある。
後日談の主役は、これから数億の命を散らす戦争を始める予定の暗黒お嬢様、ジルーネ・ワイバーのお話。
なんか、好みじゃないし、ホっとする話でもない。
だって、モロに悪役してるし(爆)
同じ美少女でも新宿の人形娘とはえらい違いだ・・・
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『拳侠 黄飛鴻 満州篇』
東城太郎 C☆ノベルス
読始8/26 読了8/27
コメント・・・
天才武術家、黄飛鴻の物語、第二弾。
今回は、日本の合気道を創設することになる植芝盛平とその他大勢を引き連れて、誘拐された(西太后の言いなり皇帝)愛新覚羅さいてん(漢字が出せねぇ・・・)光緒帝を救い出すことだ。
背景は満州。
馬賊が横行し、日本陸軍とロシア軍が競って馬賊を配下に引き入れ小競り合いを繰り返す。
日露戦争直前のすさんだ世界。
黄飛鴻らも、馬賊の力を借り、正体は知られずに捉えられている皇帝を力ずくで取り戻す戦いへと。
若さのあまり突っ走りがちな植芝盛平との戦いの時も近い?
太極拳の極意込みの痛快作。
『拳侠 黄飛鴻 広東篇』
東城太郎 C☆ノベルス
読始8/27 読了8/28
コメント・・・
一応、完結編となっている。
今回の盛り上がりは半端じゃない。
革命のための第一歩という陰謀(?)から生まれた、中国大武道大会。
中国全土から集まった達人がその技を競い合う。
手加減無用のルールの中、死人まで出しながらトーナメントは進む。
その頃、大会参加を認めてもらえなかった日本からの客人・・・
唐手の船越義珍。大東流の武田惣角。後にブラジルに渡った、前田光世。
彼らもどうしても黄飛鴻と戦う気でいる。
さらに、後にブルース・リーによって演じられることになる陳真も師匠の霍元甲と共に戦いに参加する。
強いのは、誰だ!!!
というお約束でありながらワクドキなストーリー。
この最終話だけでも読む価値あり。
燃え。
『モンスターメーカークロニクル 最後の竜戦士』
鈴木銀一郎 電撃文庫
読始8/28 読了8/28
コメント・・・
はるか昔、富士見ファンタジア文庫で書かれたドラゴンライダーの続編的存在。
その話の主人公だったアイラを師匠に、2人の少年少女がドラゴンライダーを目指す。
しかし、ドラゴンライダーになるための苦労話は前作で語られているので、その辺はスっ飛ばし。
少年、ロックスはどうしてもドラゴンに乗って空を飛びたいと思った。
・・・っと説明しておこう。ドラゴンライダーというのはドラゴンに乗るわけではない。ドラゴンと心を一つにすることでドラゴンの目を借りて自分が飛んでいるような感覚を手に入れることができる。いわば精神だけを乗せているのだ。
しかし、彼はそれだけでは足りなかった。ドラゴンに乗って戦ったという竜戦士を目指して・・・
そして、並行して語られる古代の竜戦士の物語。
竜戦士がなぜ滅びたか。その記録をロックスは読むことになる。
いい話、です。出来れば、富士見ファンタジア文庫のドラゴンライダーとセットで読むべき。
あっちもイイ話だった・・・
『ダブルブリッド』
中村恵里加 電撃文庫
読始8/28 読了8/29
コメント・・・
絵は、あんまり好きじゃ無いなぁ。カラー口絵、あからさまにエヴァしてるし(爆)
それはともかく、内容はいい感じでないかい。
主人公は怪と書いてあやかしと読む、人間以外の何か。
で、ありながら、人間の姿を持ち、甲種と分類されている少女。
の姿で成長が止まっているが、精神年齢は26歳らしい。
そんなややこしい彼女を中心に、陰謀渦巻く。
恋愛という肝吸いもサービスで付いてくる?
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『風鬼』
竹河聖 ソノラマ文庫NEXT
読始8/29 読了8/29
コメント・・・
幽霊を見た4人の男女が、何かに導かれるように山奥の別荘に辿り着いた時、何かが始まる。
別荘の主人は自らを「こおに」の代理人と名乗るヘンな青年、普門融。
そして、やさしい家政婦の中本。
なんともいえないイヤな感覚に、別荘を逃げ出そうとするが、上手くいかない。
増大する恐怖にパニックをおこすか・・・
それほど恐くないホラーです。
『地球から来た男』
星新一 角川文庫
読始8/29 読了8/31
コメント・・・
短編17本というギッシリしてる割には薄っぺらな本(笑)
ショートショートの世界の第一人者だけあって、なかなかいい作品。
どれも基本的にブラックだけど(爆)
どうせショートなら、爆笑できる草上仁の小説を読んだ方が得だと思う。
悪くは無いけど、別に勧める気もなし。
『カーリー女神の戦士』
山際素男 集英社文庫
読始8/31 読了9/2
コメント・・・
不気味だけど、やけにグイグイ引き込まれる話。
代々続く、殺人を教義とする集団、タグ。
カーリー女神のお告げに従い、殺す殺す殺す。
基本的には、ただ殺すのではなく、カーリーの腰巻の一部と言われる黄色いネッカチーフ「ルーマル」を使って、キュッ!!と首を締めて殺すのが作法なのだ。
そんなインドの殺人集団の若首領となるファランギーの血にまみれた数奇な運命を描く。
時は19世紀前半。
イギリスがインドに侵略に来る頃の、物語。
馬やらくだで荒野を旅するものの首を締めるため、タグも走る。
人の良さそうな顔で近づき、一緒に旅をして、油断したところを、キュ!!
恐ろしくもワクワクな話。
かなりお薦め
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欄外 ゲームの伝道
ゲームセンターのメダルコーナーに風来のシレン的ゲームが現れた。
モンスターゲートというこのゲームは、まぁ、なかなか楽しませてくれる。