麻弥さんの書評
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●「虚船 大江戸攻防珍奇談」松浦秀昭[ソノラマ文庫](98/7/28)

第二回ソノラマ文庫大賞受賞作。舞台は江戸時代。地球に訪れ、人を攫う虚船(うつろぶね)……UFOに対抗すべく、密かに作られた「青奉行」。おてんば少女・浅葱が率いる青奉行は、虚船を捕獲するために、赤城山に罠を張るが……
江戸時代にUFOが出て、しかもその対抗組織がある…という突飛な設定で、かつキャラはどれもぶっとんだ人たちばかりで(生臭坊主がよかったです(笑))、基本路線は「バカ話」ながら、話の骨格はしっかりしてます。江戸時代を念密に調べて書込んだ風俗、技術、その時代の文明レベルから作られる兵器。こういう、よくできた「嘘」は本当に楽しいです。最後の秘密兵器には大笑いさせていただきました。
話に勢いがあるし、世界設定の確かさ、生き生きしたキャラ、とかなり楽しめる作品に仕上がってます。


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